刮目せよ!ガザ地区のフードブロガーが救援物資でつくる「希望のチカラめし」

戦闘により壊滅的な被害を受けている、パレスチナ・ガザ地区。そこで、あるフードブロガーが奮闘しているのをご存知だろうか——?

希望の“チカラ飯”に
救援物資が生まれ変わる

ガザ地区で活動を続けるフードブロガーHamada Shaqoura氏は、救援物資を使って料理を作る取り組みを実施している。調理の様子をInstagramに投稿しているんだが、例えば以下の動画ではソーセージや玉ねぎなどを炒めてパンに挟み、サンドイッチを作り上げた。

© hamadashoo/Instagram

「おいしいものを作って、一瞬だけでも子どもたちを幸せにしたい」そうコメントを綴るShaqoura氏。

その腕前は、美食家の視線を釘付けにするようなものではないかもしれない。作り出す料理は、垂涎に値するようなものではないかもしれない。でも、誰かがそれに手を加えなければ、救援物資は缶詰の中にあり、野菜は生のまま、パンだって1本の味気ないバゲットのままではないか。

サンドイッチを食べた子どもたちは表情が和らぎ、「もっと食べたい!」と言わんばかりにサンドイッチにかぶりつく。食を通じてガザの子どもたちに「生きろ!」そう、エールを送っているようにも見えてくるのは、果たしてこちらの思いすぎだろうか。

ガザ地区の飢餓は、史上最悪レベル

国際機関「Oxfam」などによると、ガザ地区の飢餓は史上最悪レベルとのこと。銃や爆弾などよりも、飢餓が原因で命を落とす人のほうが多くなる可能性もあるとも。Shaqoura氏によると救援物資の量は十分とは言えず、長時間並んでも食材を手に入れられない人が多くいるらしい。また、届けられる食糧は豆の缶詰や保存肉などがほとんどで、栄養不足と隣り合わせの状況だという。

「毎日の味気ない食事に何か変化を加えてみよう」と思い立ち、調理を開始。フードブロガーとしての経験を活かし、救援物資からチキンカレーやピザ、ガザ風タコスなどを作っているそうだ。

そんなShaqoura氏の夢は、世界中を旅行して各国の料理を体験すること。特にイタリア料理が大好きだそうで、「戦争が終わって自由に暮らせるようになったら、まずはイタリアに行きたい」と語っている。

自身も厳しい状況に置かれているはずだが、子どもたちのために料理を振る舞い続けるShaqoura氏。イタリアを訪れて夢を叶えられる日が来ることを願いたい。

Top image: © Sudhakar Bisen/Shutterstock.com
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