なぜそこに……(笑)手荷物レーンを回る「ご当地グルメ」たち
旅を終え、空港の手荷物受取所で自分のスーツケースが流れてくるのを待っていたら……流れてきたのは「エビフライ」に「ひつまぶし」!?
“名古屋めし”が、回ってる……
はい、もちろんそんなことがあってはならない訳だが、これは中部国際空港(通称セントレア)で取り組んでいる一風変わった地方PR。
荷物引取りターンデーブルに名古屋を代表する「名古屋めし」が回っている……。旅行客のスーツケースを従えるように味噌カツ、エビフライ、ひつまぶし、手羽先といった“名古屋といえば”の味覚が意気揚々と旋回しているじゃありませんか!
ホンモノそっくりな見た目に、思わず二度見してしまいそうだが、これらはすべて食品サンプル。
オブジェの制作を手掛けたのは食品サンプル発祥の地である、岐阜県郡上八幡に本店を構える「さんぷる工房」。セントレア内にも出店する同店、海外へと出発する日本人や外国人観光客御用達のお土産ショップとして、高い人気を誇っている。
そうした背景から、さんぷる工房とセントレアがタッグを組むことで、愛知県内外の旅行者が名古屋や岐阜を訪れ、ご当地グルメを楽しみ、いい旅の思い出をつくることを期待しての今回のPR施策というわけ。
セントレア限定「名古屋めし」、ぜひバッチリ写真に収めていただきたい。ただし、釘付けになっている間に自分のスーツケースを見逃さないようにご注意を!
ちなみに、高知空港では
「カツオのたたき」が回ってます!
じつのところ食品サンプルを使った地元めしPRは、名古屋だけに留まらず。高知空港では巨大な「カツオのたたき」が登場しこちらも話題に。サイズは実物の約50倍、重さ約12kgと、坂本龍馬もびっくりな大きさだ。
こちらも手荷物受取場のターンテーブルを回り、観光客らを出迎えるのだという。カツオの一本釣り漁が有名な高知県中土佐町の観光協会などが企画・制作したもの。
「高知さんさんテレビ」によると、なかとさ観光協会代表理事田中隆博氏は「高知がカツオっていうイメージをもっと強くしたい。カツオって言ったときに高知っていう名前が出てくるくらいに、高知のカツオをもっと発信したい」と巨大カツオをアピールしたんだとか。
自分のスーツケースと並んで巨大なカツオのたたきが流れてきた日には、それが忘れ難い思い出になること間違いなしでしょ。
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こうした空港のインパクト大な取り組み。これらの事例から読み取るに、空港のレーンで“巨大ご当地グルメを回す”という大胆なPR戦略が、地域活性化のスタンダードになる日も近い?なんて思ってしまう。
かつて、お行儀よく陳列されていた食品サンプルはどこへやら。もはやショーケースをでっかく飛び出し、その土地のグルメを華麗にアピールする存在になりつつある。“地元めしオブジェ”の躍動は、これからの地方めしPRをさらに大きく、美味しくさせてくれるのかもしれない──。