いま「カフェ文化」最高潮のカンボジアがおもしろい
カンボジアと聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
世界遺産「アンコール・ワット」をはじめとする遺跡群、フランス植民地時代のエッセンスが融合する東南アジアならでは食文化、あるいはエキゾチックなマーケットを連想する人も少なくないはず。
もちろん、そのどれもがカンボジアの魅力。けれどいま、プノンペンを中心に都市部では、“あるもの”が発展しているんです。
それが、カフェ。
表参道にあっても違和感ない店構えにおしゃれなインテリア、愛想のいいウェイターにおいしいコーヒー。これが現在のカンボジアのリアルなんです。
というわけで、首都プノンペンに2ヶ月滞在した筆者が、絶対に訪れるべき2店舗をご紹介!きっと、これまでのカンボジアのイメージが払拭されるはず。
カンボジアのコーヒーシーンを牽引する
「BROWN COFFEE AND BAKERY」
もし、あなたがカンボジア人におすすめのカフェを尋ねたら、ほとんどの人が「Brown Coffee!」と答えるに違いありません。カンボジアでもっとも人気のあるこのカフェ、創業は2009年と意外に古いんです。
カンボジアwebメディアによると、留学経験のある従兄弟5人が、海外で自分たちが体験した現代的なライフスタイルをヒントに、カンボジアにコーヒー文化を根付かせたいという信念のもと創設されたんだとか。今では700人以上が働くカンボジア1のカフェチェーンへと成長しました。
プノンペン中心部に位置する複合施設「カランデールモール(Khalandale Mall)」店は、天井まで達する開放的なガラス窓が特徴です。
こちらが店内1階。道路に面したサイドがすべてガラス張りという開放感。そこから南国のちょっぴり刺激の強い自然光が差し込みます。非常に開放的な空間なんですよね。
メタリックなカウンターで注文を済ませると番号札がもらえるので、後方にある階段を登り席に移動します。
ところでこの店舗、じつは客席に大きな特徴が。
店内は4つの階で構成されていて、どこか映画館のような設計なのです。1階はレジとカウンター、2階から上がすべて客席となり、各フロアで座席の配列も異なります。
白とブラウンを基調とした空間にグリーンが映える2階フロア。ひとりでもしくはペア客におすすめです。
プノンペンの人もコーヒー片手にPCを開いたり友人とおしゃべりしたり。思い思いにコーヒータイムを楽しんでいます。
Brown Coffeeのメニューもご紹介していきましょう。
私が注文したのはこちら。
・Iced Caffe Latte L size
・Classic Noodle Soup(pork)
プノンペンではドリップよりもカフェラテがオーソドックスなコーヒースタイル。メニュー表記でもいちばん最初に記載されていることが多いんです。そして、注意すべきポイントがあります。
コーヒー系メニューは基本的にどれもシロップもしくはコンデンスミルクがデフォルトで入っています。これが「ほんのり甘い」というレベルを遥かに超えているため、知らずに注文すると、驚愕の甘さに目を丸くするはず。
甘さの調整をしたい場合は、注文時に「half sweet please」「20% suger please」などひと言つけ加えるのをお忘れなく。とはいえ、年間通して蒸し暑いカンボジアで、甘〜いカフェラテを嗜むのも一考。これもプノンペン観光の醍醐味ですから。
なお、Brown Coffeeの大きな特徴は、使用しているコーヒー豆が高基準で選び抜かれたアラビカ種であること。生豆の状態で輸入し国内で焙煎、これを2週間以内に店舗で使い切るんだそう。この徹底ぶりは先述のカフェラテでもよくわかります。コンデンスミルクの甘さに負けず劣らず、香り高いコーヒーの味わいがふわっと口に広がり、心地よく鼻を抜けていきます。
そうそう、Classic Noodle Soup(クイティウ)もおすすめです。カフェメニューなだけあって、朝ごはんにちょうどいい味付けとサイズ感がGOOD。Theエスニック!といった料理が苦手な人でも楽しめるはず。
カランデールモール店はグッズの取り揃えも豊富。タンブラーを初めとして、コーヒー豆も購入できるため、お土産としてチェックしてみてもいいかも。
『THE BROWN COFFEE』
【住所】LOT 002 (Ground Floor), Sangkat Srah Chak, Khan Doun Penh, Phnom Penh, Cambodia
【公式サイト】https://www.browncoffee.com.kh/
トンレサップ川を独り占め!
「Tube Coffee」
こちらもカンボジア発のカフェチェーン。2017年、3名のカンボジア人によって創設された「Tube Coffee」です。
店名にある「Tube」は、ロンドンの地下鉄から着想を得たものらしく、提供の速さ、信頼性の高い品質、手頃な価格を目指しているんだそう。
白を基調とした店内は落ち着きがあり、表参道や裏原あたりの路地裏にありそうなモダンな雰囲気が印象的。
注文を済ませたらカウンター奥で商品を受け取るシステムは日本と変わりありませんが、Tube Coffeeではドリンクの準備ができるとバリスタがレシートに書かれた番号を読み上げてくれるんです。ただ、それがすべてクメール語。カウンター付近で自分のオーダー完成を待つのが吉。休日だと提供までに15分ほどかかることもあるので、要注意。
受け取りカウンターのさらに奥に広がる1階席。でも、おすすめは2階席。
どーーーーん!
開放的なガラス窓の向こうに見えるのはトンレサップ川。ここから川を行き交う船をぼんやり眺めるのが私の気に入り。あなたのイメージにこんなプノンペンの風景あります?
Tube Coffeeでまずオーダーしてもらいたいのが、看板メニュー「Iced Thnol Coffee」Lサイズ。これで$2.43は安い!そして、デカい!
エスプレッソ、牛乳、クリーム、コンデンスミルクからなるコーヒーですが、エスプレッソの香りとフレッシュなミルクの優しい口当たり。「Brown Coffee」よりもミルクの味が濃く、まろやかな印象です。それを壊さないちょうどいいコンデンスミルクの甘さが暑さでまいった体に沁みるんです。
そうそう、カンボジアのアイスコーヒー類は氷多めが特徴。上の写真でもだいぶ下の方まで氷が詰まっていることが見えると思いますが、これがおしゃべりしながら休憩したり、市街地を歩いている間にどんどん溶けて薄まってしまいます。そこで、甘さの調整と同様に、注文時に「Less ice please」とつけ加えるといいかも。
『TUBE COFFEE Riverside』
【住所】385 Preah Sisowath Quay,Phnom Penh, Cambodia
【公式Instagram】https://www.instagram.com/tubecoffeecambodia/
いかがです?想像するカンボジアとはまたちょっと違うイメージだったのではないでしょうか?
今回ご紹介した2店舗のほかにも、プノンペン市内は至るところ個性的なコーヒーショップで溢れています。歴史的な遺跡群とはまた違ったカンボジアの一面を楽しむためにも、プノンペンでのカフェ巡りは今後外せないアクティビティになるんじゃないでしょうか。
蒸し暑いこの国だからなお、いつもより甘めのコーヒーが心地よかったりもします。ぜひ、同地を訪れの際はコーヒーで水分補給を!