150年前の「東北の文化」が、いま欧米で注目されているらしい。
継ぎはぎだらけのヴィンテージ服。使い古して役に立たなくなった布やボロ切れを使って作られたこの服は、「BORO」と呼ばれている。
日本ではまだあまり馴染みがないが、欧米を中心に海外からの人気が高いらしい。
「ボロ」なのに美しく見える服。
消費されただけの服は「ボロボロ」。でも「BORO」は大切に扱われ、受け継がれてきたからこそ存在する服。
個性的なデザインに見えるが、BOROは装飾的に美しくするためだけのデザインではない。
今の時代、破れるまで服を着ることなんてほとんどないが、布が貴重だった150年前の日本ではそれが当たり前のことだったのだそう。
特に東北の寒冷地に住む人たちは、服を丈夫にしてどうにか寒さをしのぐために、小さな布も捨てることなく継ぎはぎをした。
晴れ着として仕立てられた着物は、縫い直され、汚れを藍や泥で染められ、下着や敷物、雑巾へと姿を変え、最後には端切れに。そんな昔の端切れを集めて作ったのが、BOROなのだ。
装飾的にかっこいいデザインの服は世の中にあふれているが、これは貧しくても昔の人たちが知恵を絞って生まれたクリエイティブなデザインなんだと思うと、なんだかグッときてしまう。
意外と日常着にもハマる。
これまでの写真は、50~150年前の古布を補修して使用している国内アパレルブランド「KUON(クオン)」の服。欧米を中心に海外にも9店舗を構え、世界中から注目を集めている。
海外ではアート作品として飾られることも多いそうだが、意外と普段着にもしっくりハマるのだ。
日本の伝統的なファッションって、着物だけじゃないんだなぁ。
Licensed material used with permission by Photo MAKOTO HOSHINO