ファッション業界が抱える問題を象徴したアート

2002年にファッションレーベル「Daydream Nation」を立ち上げ、香港を拠点に活動するKay Wongさん。今では洋服を作るのをやめて、こんなアートを制作している。

異文化での暮らしが
新たな気づきを与えた

© Kay Wong
© Kay Wong
© Kay Wong

これらのアートをWongさんがつくるようになったきっかけは、2015年の『Young Design Talent Award』の受賞を機に活動拠点をデンマークにうつしたことだ。

「私が感動したのは、生まれ故郷の香港とは異なり、コペンハーゲンの人たちは少ない消費でも充実した生活を送っているということです」

北欧ならではのエコなライフスタイルに共鳴した彼女は、1年間洋服を購入しない生活を送ってみた。

着ているパンツが破れたら直す。不要になったTシャツを古着屋に売る。ドレスをレンタルする。

今では当たり前になっている行為でも、常に新しい洋服を生み出してきたWongさんにとっては、新たな気づきのある1年間だった。

「10年間ファッション業界に身を置いて、ファッションレーベルまで立ち上げました。でも、本当に必要だったのは、新しい洋服ではなく無駄な消費をおさえるシステムだったんです。

そうすれば、ファストファッションビジネスにつきまとう劣悪な労働環境も変えられます」

安い洋服の生産工程で命を落としている人も現実にいる。そんなファッション業界に一石を投じる目的で制作しはじめたのが、このシリーズ「Fashion Anatomy」。

材料は洋服を作るときに出る生地の端切れ。臓器を模しているのは、命の象徴だ。

Top photo: © Kay Wong