治安の悪化、経済の低迷、死傷者まで。「高貴な実験」と呼ばれた「ある法律」

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

アメリカで「禁酒法」が成立&施行した日

ストレスの多い現代社会、「これがなきゃ、やってられない!」という人も少なくないであろう存在「お酒」。

今日1月16日は、アメリカ全土で“飲む”ための酒類の製造や販売、輸送が禁止された「禁酒法(憲法修正第18条)」が成立(1919年)、そして施行(1920年)された日です。

宗教的、政治的、そして経済界の覇権争いといったさまざまな理由から実施されたこの法律ですが、規制の対象が、そもそもが多くの人たちに愛され、嗜まれていた人気の嗜好品だけに、国の“最高法規”である憲法を改正してまで強行されたはいいものの、施行された期間は、わずか13年と10ヵ月という、じつに短命なものでした。

称賛と皮肉を込めて「高貴な実験」と呼ばれた禁酒法。

頬に刻まれた刀傷から“スカーフェイス”の二つ名で恐れられたギャング、アル・カポネが密造酒の製造、販売で大金を稼ぎ出して街を牛耳り、それまでアメリカ国内に落とされていたお酒にまつわるお金は国境をまたいでカナダやメキシコに流出して経済は低迷し、製品管理がなされていないアルコールによって失明する人や死者が続出するといった、史上まれにみる“悪法”として現在も語り継がれています。

そして、現代。日本では、若い世代の“お酒離れ”がささやかれていますが、今、海外では「ハードセルツァー」なる新感覚のアルコールドリンクが大ブームなのだとか。

「酒は百薬の長」と古い諺(ことわざ)にもある通り、ほどほどであれば、お酒は心身をリラックスさせてくれる効果があるといわれています。

明日からはじまる忙しい日々に向けて、今晩一杯、いかがですか?

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