ついに、「ウェブアドレス」に革命が!?
E2EEやNFT、さらにはメタバース。インターネットをめぐるテクノロジーは近年急速に進化している。
ところが、もっとも身近な「ウェブアドレス」だけは一向に変化していないのは、考えて見ると興味深い点だ。
初めて「ワールドワイドウェブ」が公開されてから30年もの年月が経ったいまも、同じ形で「www」と「.com」は使われ続けている。
浸透しすぎて、もはや長くて覚えにくいなどの不便さを感じることすらないのではないだろうか。
そんな折、ついにウェブアドレスにもパラダイムシフトが起こるかもしれない。
先月14日、ウェブブラウザの「Opera」が、絵文字だけのウェブアドレスに対応することを発表した。
新機能は、新ドメインを開発したスタートアップ企業「Yat」との連携によって実現。Yatで絵文字または絵文字の列を購入すると、専用のアドレスとして提供される仕組みだ。
これを使ったページを統合することで、Opera上ではリンクに「.com」や「.y.at」などを使わず、絵文字の配列だけでウェブページに飛べるようになるのだそう。
Operaの副社長のコメントでは、新形式は「新しくて、簡単で、楽しいこと」だと語られている。またYatとしては、絵文字をアドレスにすることは「インターネット上のアイデンティティとして使える」ことに意義があるとのこと。
実用的かはさておき、30年間変化のないアドレスに革新をもたらしたという点では画期的。オリジナリティある絵文字配列によってアイデンティティを表現できるのは、確かに楽しそうだ。
すでに著名人を含む一部のユーザーはYatを使って「絵文字だけのウェブアドレス」を実装している。
例えばラッパーのG-Eazyは、「夜に生きるロマンチスト」である自分を表現するものとして、ホームページのアドレスを「バットマン・バラ」にアレンジ。“ウェブアドレスで自己表現”という新概念をしっかり体現しているようだ。
(GoogleなどOpera以外のブラウザでは非対応のため、本人のアカウントからチェックしてみて!)
ただし、実装するにはとてつもない金額がかかってしまうのが難点。最高額である「黄金の鍵」に至っては42万ドル以上(およそ5000万円)もするというから驚きだ。
NFTアートしかり、新技術によるネット上での自己表現は、まだ“セレブのお遊び”感が否めないのが現状だ。
とはいえ、浸透していけばより安く、より広範囲に使うことができるはず。革新的な「絵文字だけのアドレス」は、インターネットのスタンダードになっていくのだろうか。今後の進展に注目だ。