車中心の社会からの脱却。ニューヨークで「新たな都市計画」が始動
約860万人のニューヨーカーたちが道路の隅っこを歩いている——。
市内で生活している大多数は自転車や徒歩、公共交通機関を利用しているにも関わらず、道路を含めた公共スペースのおよそ75%以上が、駐車スペースとして独占されている現状だそう。
人が優先ではなく、クルマ優先。限られたスペースを窮屈な思いをして歩かなければならない人々。これが、街としてのあるべき姿なのか。
ニューヨーカーのために道路を取り戻そう!と、いまNYで「ある計画」が進行している。
© Transportation Alternatives/YouTube
プロジェクト名「NYC25 x 25」。
これは、市内の道路が占有する25%分のスペースを2025年までに歩行者専用広場、自転車専用レーン、緑地、バス専用レーンに生まれ変わらせるという交通計画だ。
「より良い未来のためには、道路を『より人目線でのシステム』へと捉え直す、新たなアプローチが必要」と、プロジェクト公式サイトはメッセージング。
計画を進めていくことで公共スペース使用の権利を地域コミュニティへと移行していくなど、街全体の活性化を図る意味でも期待が大きい。
道路を人へと取り戻そうという姿勢。それは、道路をはじめ公共スペースをどう活用するかは、「車のため」ではなく本来「人のため」であるという街づくりの原点ではないだろうか。
自動車が占有することで交通事故に巻き込まれたり、大気汚染による健康被害も問題視されているニューヨークだけに、より暮らしやすい街として生まれ変わることを期待したい。
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