TikTokクリエイター「修一朗」が本当にヤバくなるのはこれからだっ!!

さて、今回インタビューをしたのは、TikTokを中心に総フォロワー270万人を超えるクリエイター、修一朗さん。

動画内でのコミカルなイメージとは裏腹に、職人気質で、分析派で、負けず嫌いで、超熱い想いを持ったクリエイターであることが見えてきました。

何か大失敗しても、
海外という選択肢がある。

—— 小さい頃はどんな子だったんですか?

 

マジで普通の子です(笑)。スポーツも勉強もとりあえず全部クラスの平均みたいな。

でも小学校3年から6年までの3年間、親の仕事の都合で南アフリカに行ったんですよ。それがけっこう自分の中では大きくて、価値観が変わりました。「なんでも自由にやっていいんだ」って。日本に帰ってきてからも気持ちここにあらずで。

そのときの感覚は今でもあって「なにか大失敗しても海外に行けばいっか」と思ってます。

 

—— 今の生き方に影響を与えた人は?

 

もうぶっちぎりで、YouTuberのケイシー・ナイスタットです。vlogで有名になった方なんですけど、心ここにあらずみたいな頃に見るようになって「こういう生き方あるんだ」って。今の自分の原点です。

彼は映画監督になりたくてニューヨークに住んでたけど10年以上ずっと芽が出なくて。でも映像を作り続けていたら一発逆転できて、今でもやり続けてるんですよね。当時の僕はチャレンジすらしてなかったから、とりあえず失敗してもいいからやってみようって。

 

—— 最初はYouTubeから始めたんですよね?

 

ですです。大学入ってから始めたので2016年。やっとみんなに認知されたのが2020年なので、4年くらいは毎日動画作っても全然見られない(笑)。再生100とか! 闇の歴史です。

 

—— くじけなかったんですか?

 

当たればクリエイター目指せるし、当たらなかったら就職すればいいし、就職もできなかったら海外行けばいいし、って思ってました。

 

—— そこで小さい頃にできた価値観が活きてたんですね(笑)

 

その頃シンガポールに留学してて、コロナのタイミングで強制帰国になって、ちょうど2週間くらい隔離生活だったんです。就活もできないし、家でひとりだしTikTokやってみようかなって。そしたら当たってしまって。

4〜5ヶ月で100万再生くらいまで伸びて、就活どうしようって揺れてました(笑)。

まぐれで当たった感覚は、ないです。

—— 当たったときって、どういうテンションになるものなんですか?

 

自分のなかではまぐれで当たった感覚はなくて、それまで4年くらいずっとYouTubeで試行錯誤しながら動画つくってましたし、ケイシー・ナイスタットも「失敗が続いていても、急にドーンってくるよ」って言ってたので、あっ本当にきた、と思って(笑)。やっと自分にハマるプラットフォームが見つかったなっていう感覚はありました。

編集スキルも身についてきてましたし、つねに色々なクリエイターを調べて「この5年くらいは動かないな」というトレンドも押さえながら、そこに「おバカちゃん」っていうキャラクターを掛け算して、という感じですね。

 

—— かなりロジカルに戦略的にやられてたんですね。キャラクターはどうやって?

 

父が英語の教師で、家でもずっと英語のニュースとか映画しか見なかったんですよ。なので僕自身も日本のバラエティの影響はほとんど受けてなくて、海外のコメディばっかり見てました。なので学校で盛り上がってるテレビの話とかはあまりついていけませんでした(笑)。その影響も大きいかもしれませんね。

 

—— そういうバックグラウンドがあったんですね。

 

中学のときも家で映画ばっかり見てましたし、大学でひとり暮らしするようになってからは1日3〜4本見てました。まだまだ分からないことばっかりなので「こういうふうに撮ったらいいんだ」とか、ずっと勉強している感覚です。

それで縦動画がトレンドになった瞬間、ドーンとバズった感じです。

28歳で一旦、区切る。
映画をつくりたい。

—— TikTokのイメージがあまりにも強すぎて、そこまで映画への想いがあることは意外でした。

 

2016年の18歳の頃からYouTubeを始めたので、今6〜7年くらいなんですけど、28歳で一旦区切りをつけたいと思ってるんですよね。

 

—— 区切り、というのは?

 

2026年で28歳になるので、残り3〜4年で「もうTikTokでは誰も修一朗に勝てない」っていうところまで突き抜けたい。そこからは新しいチャレンジしたくて、そのひとつが映画の世界です。

今みたいにひとりで企画考えて、台本作って、1日1本投稿するっていう動画への向き合い方ではなくて、たとえばチームで作品をつくるとか、大きいプロジェクトで動くとか、そういうところから学び直したいっていう想いがあります。

 

—— 映画といえば、この前ブラッド・ピットに会ってませんでした?

 

いや、そうなんですよ。お仕事だったんですが、あれ本当どうなんでしょう(笑)。もう恐れ多すぎて、今の僕レベルが会ったらいけない人だと思うんです。目指している世界のド頂点ですから。

そういうところにドーンって行けちゃうのも今っぽいのかもしれませんが、やっぱり違う形で、ちゃんと自分でも納得できるくらいの活躍をしてからまたお会いしたい気持ちはあります、うん。もっともっと頑張らないと。

めちゃめちゃ分析するタイプっす。

—— 「もうTikTokでは誰も修一朗に勝てない」状態って、どんなイメージをしてますか?

 

今はもうフォロワーの数ではないと思うんですよね。ビビるくらいのクリエイティブだったり、ありえないコラボだったり。みんなが手が届かないところまであと3年くらいでやり切りたいです。

 

—— 普通の子だった、という記憶からは想像できないくらいの向上心ですね。

 

あ、でもこれはホント最近かもしれないです。動画のなかで自分にできないことがあると悔しいですし、もっともっとスキルも身につけたい。

あとデータめちゃくちゃ見るタイプです(笑)。自分以外にも、伸びてる人とか落ちてる人とかトレンドとか、全部見てます。

寝てる間に他のTikTokクリエイターがバズってるとスマホをぶん投げたくなるくらい悔しいし、俺もやらなきゃっていう気持ちになるんですよね。誰がライバル、とかではなくて、見ているみなさんの時間をいただく感覚なので、他の人がバズってるとシンプルに悔しいですよね。

 

—— 動画内のキャラクターからは想像つかないくらい、闘争本能が強いんですね!

 

かもしれません(笑)。あとは予想外のバズ、とかは全然嬉しくないんですよね。予定していたイメージ通りに撮影できなかったけど、編集でむりやりカタチにしたらバズった、みたいなこともあるんですけど、自分のなかでは評価ゼロなんですよ。

僕はすべて計算したうえでバズりたいし、その上で「ほら来た」っていう感覚を大事にしたい。きっとそこが喜びのMAXです。

6年間、ずっと迷ってる。

—— すべて計算、をもう少し詳しく聞かせてください。

 

僕、ガッチガチに台本を書くんです。たぶんTikTokクリエイターのなかで一番じゃないかな。15秒とかでもちゃんと企画から台本まで準備して、全部できるように練習して、本番、ですね。それを毎日やってます(笑)。

いっさい感覚ではやらないし、戦略的にバズらないと自分の勉強にならないんですよね。

 

—— とても職人気質なんですね。

 

ですね。練りに練って構成を考えた新しいパターンとかを出すと「修一朗、迷ってる」みたいなコメントもいただくんですけど、僕からすると「そうなんです、6年間ずっと迷ってます(笑)」という感じで。

とにかく世界中のCMとかクリエイターのvlogとか分析しまくって、めちゃくちゃ起承転結を考えて、ギリギリまで無駄を削ぎ落として、当たったときが快感です。

 

—— TikTokで見ているキャラクターとの違いに正直驚いています(笑)。

 

いやー、そうですよね。よく言われます(笑)。でも自分より下の世代の動画とか興味ある方たちに「こういう選択肢もあるんだよ」って知ってもらいたいし、全然パクってもらいたいし、僕自身もそうやって勉強してきたし、ぜひ自分のやりたいことにトライしてほしいなって思います。

もちろん僕も負けないように、とりあえずあと3年くらいで、もっと突き抜けます。

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