登山やトレッキングが楽しくなる「ブレない呼吸」のヒント

山の頂上でする深呼吸って、なんであんなに気持ちいいんでしょう？

もちろん空気や景色のきれいさもあるでしょうし、そこに至るまでの一歩一歩を思い出すように、自然とカラダの内側から湧き上がる心地良さもあるでしょう。日々の喧騒から離れることで生まれた気持ちのゆとりや、ほど良い非日常で開放的な気分に浸っていることも影響しているかもしれません。

そんな風に、きっと登山やトレッキングを愛するみなさんにとって「呼吸」と向き合う時間はとても大切なものだと思うんです。それは山頂での“ご褒美”のような深呼吸だけではなく、登山中のパフォーマンスのためや、日々のコンディショニングのための「呼吸」も大切にしていることでしょう。

ここでは、登山好きなみなさんと「呼吸」の大切さについて一緒に考えていきたいと思います。

呼吸の重要性や、そのメリットはさまざまなメディアでも紹介される機会が増えましたが、実際はあまりにも日常の “当たり前” すぎて、なかなか意識できない人も多いでしょう。

とくに仕事や家事が忙しかったり、目の前のやらなければいけないことに追われているときはなおさらです。そこに追い討ちをかけるようなマスク生活で、外で思いっきり深呼吸をすることすら、どこか遠慮しないといけない時代になってしまいました。

だからこそ、山——。
そこに足が向かう気持ち、とってもよく分かります。

登山好きの方からは、比較的「普段から呼吸を意識している」という声も聞きます。なにげないお散歩や、駅の階段、坂道を登るときも、無意識のうちに自分自身のカラダやココロと向き合う習慣があるからでしょうか。

登山フリークのみなさんからは、こんな声も。

登山好きなみなさんが呼吸の大切さを知っているということは、裏を返せば「呼吸がうまくいってないときの自分のパフォーマンスも知っている」ということです。

みなさんも、一度は経験があるのではないでしょうか。

「いつもなら平気な山なのに、なんで今日はこんなに疲れるんだろう」
「なんだか今日は、呼吸が浅くなっちゃうな」
「自分でも気づかなかったけど、もしかしたら緊張してたのかも」

など、呼吸の影響がありそうな謎の不調。

だからこそ、登山好きなみなさんは「呼吸のブレ」に敏感なのかもしれません。

体力と相談しながらのリズムやタイミング、呼吸の深さや方法などを模索しながら、とにかく乱れないように呼吸をしているのでは？

ここでも、つい共感してしまう登山フリークのみなさんの声が聞けました。

ここでは「呼吸を意識して気分をコントロールする」ことについても触れたいと思います。

コントロールするなんて言うとおおげさに感じるかもしれませんが「呼吸のリズムを整えることで、気持ちをキープできた」という感覚なら、多くの人が一度は経験しているのではないでしょうか。

たとえば「気合い」とか「気の持ちよう」なんて言われることが、じつはそんな抽象的なことではなく、呼吸が落ち着いていたから余裕が持てた、というような場面です。

登山中は傾斜があったり、足場が悪いことで心拍数も上がり、そこに標高も関わってくると、ますます「呼吸を意識して気分をコントロール」せざるを得ません。

普段から呼吸を意識し、ブレない対策を施すことで、少しずつ自分自身が心地良いと思える気分のコントロールができるようになるのではないでしょうか。

ここまで、登山好きの方のインタビューも交えながら、普段から呼吸を意識すること、ブレない呼吸の大切さ、気分をコントロールすることの必要性について見てきました。

登山は、ある意味で強制的に「呼吸」と向き合う貴重な機会とも言えるかもしれません。日常生活だけではなかなか意識することがむずかしい「呼吸」ですが、気持ちを落ち着かせてくれたり、ふと冷静になる時間をくれたりと、自分のココロやカラダと向き合うチャンスを与えてくれます。

今回はご紹介していませんが、リフレッシュしたいときや、もっと頑張りたいときなど、現代社会において重要とされるさまざまなシーンとつながっているのが「呼吸」の魅力です。

まずは自分の呼吸について考え、振り返ってみることから始めてみてくださいね。

* 本記事は、登山&トレッキング愛好家の方たちへのインタビューを元に作成しております。