パソコンが「呼吸する」時代、到来

今どき、デコラティブなパソコンはいくらでもある。 

キャビネットにRGBライトがついているもの、スチームパンク全開の水冷パイプがついたもの、もはや四角形ですらないもの…‥。 

では、呼吸するパソコンを見たことはあるだろうか?

―――答えはおそらくNOのはず。 

世界最大級のテックイベント「CES2022」にて、米PCメーカーの「CyberPowerPC」が公開したのは、前代未聞の“エラ呼吸する”PCケース

まずはこちらを見てほしい。 

© cyberpowerpc/Instagram

真っ白な美しい筐体にローズゴールドが輝くファケード。モダンアートと中世芸術が融合したかのようなデザインはそれだけで目を惹くが、この「Cyberpower Kinetic Series」の驚くべきはその機能 

ローズゴールドのパーツ、実はヒンジ構造になっている吸気弁=つまり“エラ”。これが開閉することで空気を取り込み内部の冷却を行う……エラを使って、まさに“呼吸”するのだ。 

呼吸の様子は下の動画で確認できる(0:57辺りからで、1:10辺りはさらに“呼吸っぽさ”を感じられる)。

© CYBERPOWERPC/YouTube
まるで生きているかのようなエアフロー方法は、斬新なだけでなく機能的でもある。
 
18個のエラは自動で内部の温度を感知し状況に合わせて1つずつ動くため、微細な温度調節が可能なうえに、一般的なファンに比べて音も静かなんだそう。 

「機械が呼吸をする」なんていかにもサイバーパンクの世界のようだが、なんとこのケースはコンセプトではなく実販売モデル。 

意外にも販売価格はリーズナブルで、これだけの機能を備えていながら249ドル(およそ2万9千円)と手の届く値段となっている。

名前に「シリーズ」とあるということは、今後さらに進化していくことも期待できる。呼吸の次は脈動したりするようになるのだろうか。  

SFの現実到来を感じずにはいられない。

まずは自宅のパソコンに呼吸させてみれば、 サイバーパンクな時代を先取った気分になれるに違いない。

Top image: © iStock.com/magicmine
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。