ベルリンが“都市のカルチャー”を守り続ける秘訣
ドイツの首都であるベルリンは、ナイトクラブから美術館、劇場など多様なアートのかたちを抱える世界有数の文化都市として知られている。
多くの市民がアートに寛容で意欲的なベルリンだが、今回の新型コロナウイルスの流行や日常生活費の高騰で、多くのアート業界で働く人たちが財政難に陥っており、文化的施設の閉店も相次いでいるという。
そこで、ベルリン文化・欧州評議会は、自国のカルチャーを守るべく、「Jungendkulturkarte」と名付けられたチケットを発行。
このチケットには、50ユーロ(現時点で約7100円ほど)分のクレジットがチャージされており、18歳から23歳までのベルリンに住む若者であれば、誰でも入手可能となっている。
使える先は、美術館やオペラ、映画館といった高尚なアート施設だけに限らず、市内のナイトクラブへの入場料としても使用できるというところがベルリンらしい。アートカルチャー全体を後押しし、若いベルリン市民の動きが活発化することが目的とされている。
さすがはオルタナティブ・カルチャーのお膝元。現在は、深刻なジェントリフィケーションにも悩まされているベルリンだが、この地からアートが完全に失われることは、まだ心配いらないかもしれない。
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