MoMA誕生の背景に、3人の女性あり。

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

ニューヨーク近代美術館(MoMA)創設

世界でもっとも優れた近代美術といえば、「MoMA(モマ)」の愛称で知られる「ニューヨーク近代美術館」。創設は1927年の今日、11月7日のこと。

クリエイトマインドインスピレーションの喚起の場をモットーとする同館の構想とその設立の背景に、アートを育てた3人の女性たちの存在があったことをご存知ですか?

リリー・P.ブリス、アビー・オルドリッチ・ロックフェラー、そしてメアリー・クイン・サリバン。

1900年代初頭、アメリカ経済発展とともに多くの資産家たちはアート作品のコレクションを始めたり、子どもに芸術的教育を受けさせたり、作家の制作をパトロンとして支えるなどしてヨーロッパの芸術文化を貪欲に吸収していきました。

彼女ら3人もまた、アートコレクターやパトロネーゼとして芸術と関わっていくなか、従来の美術館の保守的な方針に意義を唱え、近代美術を専門とした新たな美術館の必要性を訴え、創設に尽力していくことに。折しも、女性の地位向上や参政権が叫ばれていた時代。芸術への支援もまた、女性として社会へ参画するひとつの手段だったのかもしれませんね。

こうしてモダン・コンテンポラリーアートの殿堂となったMoMA。ピカソやゴッホ、セザンヌといったヨーロッパの巨匠から、アメリカ現代美術作品の膨大なコレクションは同美術館の特徴のひとつですが、それだけじゃないのがMoMAの魅力。

1930年代には、建築、デザイン、映画、家具など従来の芸術分野には登場し得なかった芸術性にいち早く着目。20世紀以降の現代美術の発展と普及に影響を与え続けてきました。

ちなみに、1932年には世界の美術館に先がけ建築とデザインに特化したキュレーター部門が登場。絵画や彫刻と等しく建築やデザインにおける芸術性にいち早く目を向けていたのもMoMAだったんですね。

ところで、「え、こんなものがMoMAに?」なんてものがコレクションされていたりも。たとえば、航空機のジェットエンジン「GE90-115B」のファンブレード。

「先進的な技術と設計の融合により、優れた機能を追求した結果として生まれた、驚くほど美しい形状」とMoMAは評しているようですよ。これも、MoMA Collection(永久収蔵品)というんだから、見る人が見ればデザインなんですね〜。

Top image: © iStock.com/gorodenkoff
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