失恋から若者を救うのは、時間でも友だちでもない。まさかの「政府」

ニュージーランド政府が、キャッチフレーズ「#OWNTHEFEELS(自分の感情を大切に)」を掲げ、失恋に苦しむ若者の立ち直りを支援する取り組みを開始した。

ちょっとお節介が過ぎるのでは?……と思うかもしれない。

が、実のところニュージーランドは先進国のなかでも家庭内暴力性暴力の報告率がもっとも高い国。この取り組みは、それらの問題撲滅を目指して開始されたのだ。

内容を簡単に説明すると、社会開発省が若年層を支援する慈善団体「Youthline」の支援を受けて運営するプログラムであり、テキストや電話、メールなどで若者と連絡を取り合いアドバイスの提供を行っている。

では、実際にどれくらいの若者が失恋に苦しみ助けを求めているのか。

2022年、ニュージーランドのコンサル企業「KANTAR」が実施した調査によれば、16歳から24歳までの約62%に破局・失恋の経験があり、その約72%が「何か悪い経験をした」ということが明らかに。さらに、「人間関係のトラブル」こそが若者が助けを求める主な理由の1つであることも判明した。

「個人の恋愛に政府が介入」。字面だけ見れば違和感しかないが、こういった取り組みや研究による若者たちへのアプローチは、結果的に傷ついた彼らを救い、その後の人間関係の改善に役立つとすれば、じつに画期的と言えよう。

誰もが経験するかもしれない失恋。その傷を癒すのは、時間や友だちだけじゃなく、政府。それがスタンダードとなる日がやって来るかもしれない。

Top image: © iStock.com/martin-dm
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