デーティングは「0か100か」の時代に!Z世代の恋愛・デートのこれから。

5月末、ロンドンで開催されたTinderのグローバルイベントに参加してきました。(日本からの参加はTABI LABO編集部だけ!)

その名も、「Future of Dating 2023」。

Z世代のデートや恋愛の新しい基準や価値観をまとめたレポート公開に伴い、開催されたグローバルイベントです。

そのレポートで紹介されている“デーティング”「9つのトレンド」がこちら。

1.「不完全な自分」を認めて自由に

2.デートでも、自分自身を大切に

3.時間を無駄にしない

4.マニフェスティングの時代へようこそ

5.若者のアルコール離れは、流行からライフスタイルに

6.テクノロジーは脅威ではなく、役立つツール

7.より身近になる世界

8.「違い」を越えてつながる輪

9.「デーティング」は、もう古い?

このトレンド、みなさんはどう感じますか?

イベントでは、9つのトレンドについて、Tinder CMOのメリッサ・ホブリー氏をはじめとするパネリストがプレゼンテーションやパネルセッションを行いました。

「私たちはこう感じたよ、デーティングの未来はこうなっていくかも」なんてことをロンドンでディスカッションしてきたので、Z世代目線でレポートしていきます!

ピンクでかわいいTinderタクシー!
“IT STARTS WITH A SWIPE”

©Tinder

各国のジャーナリストを含めたイベント参加者は、この日のために用意された“Tinderタクシー”に乗ってホテルから会場へ移動。

乗ってる間、マッチングイベントに行く人と思われてないかな?と少しソワソワしました(笑)

イベント会場はロンドンのハイド・パーク内にあるアートギャラリー。

“IT STARTS WITH A SWIPE”の文字が描かれたピンクのタクシーがロンドンの街並みを駆け抜ける、圧巻のプロモーション。

イベント開始前から楽しませてくれる、ユニークな発想はTinderならではでした!

Z世代の「64%」が
大切にしていること

©Tinder

Tinderタクシーに乗って会場に到着。入口に展示されていたのは、最新レポート「Future of Dating2023」の特設パネルです。なんだか美術館に来た気分。

「あなたは知っていますか?」という問いかけのもと、レポートの調査結果をはじめと、デーティングの新しい価値観に関するキーワードや重要なデータを学べるようになっていました。

©2023 NEW STANDARD

ちなみに、この64%という数字は、若者が「自分らしくあるためであれば、恥ずかしい、または気まずい状況も受け入れられる」。Z世代のTinderメンバー半数以上が“自分らしさ”を大切にしている結果なのです!

“あえてお酒を飲まない”選択。
ウェルカムドリンクは「モクテル」

©2023 NEW STANDARD

お酒を飲まないZ世代が増えていることや、ソーバーキュリアスの広がりから、会場にはモクテル(ノンアルコールカクテル)が用意されていました。

実はこのモクテルも今回のレポートに登場する9つのトレンドに合わせた演出。

実際にTinderメンバーの52%(半数以上)が「今年はお酒の量を減らしたいと考えている」または「全く飲まないつもりである」と回答しているんですって!
 
モクテルを受け取ったら、いよいよセッションがスタートです。

世界で最も有名な恋愛の
エキスパートが語る5つのメソッド

©Tinder

オープニングから、世界で最も有名な恋愛のエキスパートの一人である、ポール C ブランソン氏が登場。

ポール氏は、Tinderリレーションシップインサイト担当グローバルエキスパートとして、さまざまなイベントやプロジェクトを通じて、恋愛やデーティングの知識を展開している恋愛の専門家。

彼がレポートで予測している、デーティング「5つのメソッド」について語ってくれました。

1. Z世代は最も結婚に成功する世代になる

2. デーティングは「0か100か」の時代に(“All or Nothing”)

3. 共感力を持った男性が増え、「男性」はより健全になる

4. LGBTQIA+の恋愛が盛んに

5. 異なる背景を持った人との恋愛は例外ではなく、常識に

ポール氏によると、Z世代は、本当のつながりや自分の心身の健康に価値を置き、恋愛においても駆け引きなどせず、正直なコミュニケーションを重視しているため、最も結婚に成功するとのこと。

だけど、過去の世代に比べて結婚に興味を持たない人も多く、自分が満足できる人生を切り開いていくことに力を注いでいるからこそ、「結婚するぞ!」と決めた時の意味や価値は確かに大きいのかもしれませんよね……。

“デーティングは「0か100か」の時代に”。これもZ世代として納得感がありました。パンデミックによって失った時間を今後も無駄にしたくない、という考えも関係しているようです。

ほかにも、ポール氏のお話の中で印象的だったのは、12歳になるα世代の息子さんのエピソード。

X世代の彼から見ると、友人たちとラグビーもクッキー作りも同じように楽しめる息子さんは、「共感力を持った男性」として映るそう。従来とは違った新しい男性像の到来を予感させます。

α世代に継承できる
Z世代の遺産は?

©Tinder

続いて、パネルセッションです。

心理療法士のジョーダン・ディクソン氏、アナリストのマルタ・インデカ氏、そしてTinder CMOのメリッサ・ホブリー氏の3名がパネリストとして登壇。

パネルセッションは、ポール氏のこんな問いかけから始まりました。

——Z世代が自分自身に過度に集中しすぎていないか?
境界線を作り、外との関係を育むことを受け入れないのではないか?

<心理療法士・ジョーダン氏>
「自分自身を育てることで、相手の声を聞くためのコミュニケーションを育むことができている」と回答。柔軟性を持って、自分を愛するように相手にも愛を持って接する。Z世代には「バランスを取る」という選択肢が備わっていると話していました。」


——デートのルネッサンスをリードしているZ世代。
Z世代がα(アルファ)世代に継承できる遺産は何になると考えますか?

<アナリストのマルタ氏>
「Z世代はこれまでのデートや出会いのパターンを破り、ルールを書き換えています。今後、α世代の価値観は注目を浴びることになると思いますが、それはZ世代がやってきたことの結果を強化したものになっていくと考えています。もしα世代が同じように情熱的で野心的な考え方を恋愛にも持つとしたら、それはおそらくZ世代に少し触発されているのだと思います」

 

——TinderはこれからZ世代をどのようにサポートするのでしょうか?

<Tinder CMO メリッサ氏>
「Tinderが最初にやらなければならないことは、あなたが誰であるかを確認することです。自分がどんな人間で、何を求めているのかが、Tinderコミュニティに入ってみるとわかる、最初の部分なんです。もしあなたがLGBTQ+なら、家族や友人などより広いグループにカミングアウトする前に、Tinderでカミングアウトする可能性が非常に高いのです。Tinderは、メンバーが帰属意識を持つ最初の場所である可能性が非常に高いということ。世代が進化するにつれて、Tinderも進化していきます」

興味深いセッションの中で、Z世代の私が一番気になったこと。

それは、“デート”の定義です。日本では恋愛の文脈で捉えられていることがほとんどですが、Tinderが語る"Dating"は、恋愛関係だけではない“人間関係”、リレーションシップであるということでした。

心理療法士・ジョーダン氏が言っていた「自分自身を育てることで、相手の声を聞くためのコミュニケーションを育む。そしてバランスを取る。」これは恋愛だけでなく、人間関係においても意識しておくべきマインドセットだなと感銘しました。

会場の空気が変わった
「で、ミレニアル世代はどうなの?」

セッション後半は、Q&Aタイム。会場の温度感が明らかに変わった質問を2つピックアップします。

——Tinderは「デートの未来」というテーマでZ世代に注目していますが、ミレニアル世代もそんなに歳をとっていないと思うんです。ミレニアル世代はどうなの?

この質問で会場には笑いが起き、和やかなムードになりました(笑)

<ポール氏>
「今回、ミレニアル世代よりもZ世代のフォーカスを当てたのは、より若い世代(Z、α世代)が、これまでと全く違うことを大胆にやっているからです。

違いを伝えられるかどうかが、ミレニアルズとZ世代の違いだと思います。デートのルネサンスをリードし、インスピレーションを与えてくれるのはZ世代であるということ。TinderはZ世代の価値観にインスパイアされていることをお許しください(笑)」

2012年にTinderが生まれた時、ミレニアル世代は18歳から25歳(今のZ世代と同じ年齢ですね)。

ミレニアル世代の恋愛が衰退しているわけでなく、デジタルネイティブなZ世代が作り出すデートトレンドにTinderは大きなインスピレーションを受けているということなのです。

——「デート疲れ」が叫ばれる中、Tinderアプリの役割やコミュニティの醸成についてどう考えますか?ロマンチックな出会い以外でも、Tinderのサポートを受けられるようになるでしょうか。

<Tinder CEO メリッサ氏>
「多くの人が恋愛に限らず『真剣な出会い』を探していて、私もTinderで素晴らしい友人を見つけたことがあります。Tinderの良さは、世界中どこにいっても、ストレートでも、クィアでも、誰もがコミュニティを見つけるチャンスがあることです」

恋愛だけでなく、スワイプひとつで一生の友達に出会えたり、自分らしくいられるコミュニティを見つけることができるのが、Tinderの魅力。

グローバルメンバーのこのような変化が、日本のメンバーの意識を変えていく日も近いかもしれません。

星座を共有するよりも
大きな影響力を及ぼす?
「マニフェスティング」

©2023 NEW STANDARD

会場で一際目立つ、大きな木の装飾。枝には謎のピンクの紙が付いていました。

実はこれ、参加者の“マニフェスティング”(=自分の願いや夢を心の中で思い描いて実現を促すこと)を書いて飾る体験型のインスタレーション。

Tinderの調査によると、Z世代のTinderユーザーは「マニフェスティング」をプロフィール内の新しい項目として注目しているとのこと。TikTok上でも、#manifestationのハッシュタグは視聴回数が360億を超えているんです!

自分の願いや夢を認識するということも、自分や相手を知るための大切なアクションの一つなのですね。

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このイベントを通して、人と出会うこと、自己意識を持つこと、そして心身ともに健全で幸福な状態でいることが、新しい時代を生きるために必要だなと感じました…!つまり“デーティングウェルネス”である状態です。

皆さんも、まずは「自分をよく知ること」から始めてみませんか?♡

Paul C.Brunson

Tinder リレーションシップインサイト担当グローバルエキスパート 。

多くの人から支持され、世界で最も有名な恋愛のエキスパートの一人。オプラ・ウィンフリーなど著名人とも共演し、最も人気のあるデート・リレーションシップ番組のホストを務めた。恋愛のエキスパートとして、世界中のメディアで専門的な解説をすることで、そのキャリアを築いてきた。その豊富な知識を活かして、今回、世界最大級のマッチングアプリ「Tinder」と提携し、さまざまなイベントやプロジェクトで、業界トップを誇る彼の知識を提供していく。

Melissa Hobley

TinderのCMO。グローバルブランドの広告、マーケティング、ソーシャルメディア、パートナーシップ責任者。

強力なブランドマーケティングとデータを活用したデジタル広告を、大胆かつ画期的な方法で融合させることに定評がある。最近では、OkCupidのCMOを務め、包括的で肯定的なメッセージで知られるようになり、彼女の指揮の下、画期的なソーシャルキャンペーンで数々の賞を獲得。

Top image: © Tinder
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。