大麻合法化地域で待ち受けるのは、ハイになって腹を空かせた虫?

大麻のTHCがもたらす強烈な空腹感、「マンチーズ」。

基本的に薬物として大麻を使用するのは人間だけだが、ハイになるのは他の動物も同じで、なんとですらもその影響を被るらしい。

大麻の精神活性成分であるTHCは、体内で摂食を含む様々な行動を媒介するとされる「カンナビノイド受容体」と結合する。これが摂食の感覚を鈍らせ、ハイになった人間は高カロリーな食べ物に惹かれるようになる仕組みだとか。

人間の体内には精神活性成分が存在するため、基本的に生まれつき反応するようになっている……のだが、じつはこの機能は他の動物どころか、「虫」にすら共通するものであるようだ。

オレゴン州で大麻が合法化された直後、生理学を専門とするトレド大学の研究チームがお遊び半分で「線虫にカンナビノイドを与える」実験に挑戦。

その結果、線虫は高カロリーな好きな食べ物に引き寄せられ、食べる量も増加──つまり、「マンチーズ状態になった」のだ。

お遊びで始まったと言われる通り、当初はほぼネタのような実験だったそうだが、結果的にこの研究はカンナビノイドのシグナル伝達を研究する際のテストに線虫を用いることができるということを証明した。

これは医薬品開発へのポテンシャルだけでなく、動物界における人間の立ち位置を理解することにも繋がる可能性があるということで、かなり成果があったようだ。

さて、線虫がマンチーズ状態になるなら、虫を含め大半の生物は大麻によって空腹を感じる(あるいはハイになる)ということ。

日本でハイになった生物を見る機会はまずない(はず)だが、当のオレゴン州やアメリカの一部の州、またはタイのような大麻が合法化された地域に足を踏み入れれば、ハイになって興奮した虫や、腹をすかせた虫に追いかけ回される……なんてこともあるかもしれない。

大麻の副流煙はタバコほど強くないとされているが、そういった意味においては気をつけたほうがいいかも?

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