【東南アジア初】タイの「同性婚合法化」で変わるアジアの景色

世界中で多様性への理解が深まる昨今、アジアの国々においてもLGBTQ+の権利に関する議論が活発化している。そんななか、タイが2025年から東南アジア諸国として初めて同性婚を合法化すると発表した。

タイ国民、長年の思いがついに実現

 「Bloomberg」の報道によると、この法改正は国王の承認を得て正式に成立したものであるとのこと。これより、タイでは来年1月以降、18歳以上の同性カップルは婚姻届を提出できるようになる。 婚姻届を提出したカップルは、異性カップルと同様の法的権利を認められ、相続や税制上の優遇措置、子どもの養子縁組などにおいても平等な権利を行使できるようになるそうだ。

同国では、すでに2015年から性的マイノリティに対する差別を禁止する法律が施行されていたが、これまで同性婚は認められておらず、長年にわたって権利活動家たちから法改正を求める声が上がっていた。

多様性と経済効果、タイが描く未来図

ご存知の通り、タイは東南アジアの中でも特に観光業が盛んな国として知られている。 タイ政府は「LGBTQ+に対してフレンドリーな国」というイメージを強化することで、観光客誘致をさらに促進したい狙いもあるのだろう。実際、性的マイノリティの旅行者にとってタイは人気の旅行先であるため、さらに観光客が増えることは間違いないだろう。

今回の法改正は、アジア諸国に大きなインパクトを与えていく可能性も。 「国連開発計画(UNDP)」は、アジア太平洋地域にはおよそ4億5800万人のLGBTQ+の人々が暮らしていると推定している。 タイの動きは、この巨大なコミュニティに希望を与え、他のアジア諸国での法改正や社会的な意識改革を促す可能性を秘めている。

日本でも、同性婚を認めない民法などの規定は憲法違反だとして、国を相手に損害賠償を求める訴訟が各地で起こされている。 今回の動きを他人事と捉えるのではなく、私たち自身の社会のあり方について、改めて考えるきっかけとなるのではないだろうか。

👀 GenZ's Eye 👀

当事者たちを守ることははもちろん、「LGBTQ+向けの観光地としてアピールできる!」という大義なメリットにも着眼して、法改正に踏み切ったタイ。クィアたちの歓声が次にあがるのはいったいどこの国になるのでしょうか……?

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