質問:「宇宙には我々しかいない?」NASA:「その問いがサイエンスの最優先事項になる」
近く重大発表をするらしい…それが「太陽系外惑星についての内容」とだけ含みを持たせるNASAの先行発表に、数日前から噂や憶測が海外メディアで飛び交っていた。
「地球と似た環境」を発見
太陽系外惑星の新発見と予測したCNNは、発表前日(2月22日)の記事で天文学者らのコメントを紹介していた。
これまでにも、銀河系内では岩石を大きくしたような惑星が多数発見され、質量や温度の観点から考えれば、地球はまったくもってユニーク(まれ)な惑星ではない、と。この広い宇宙のどこかに地球と同じような環境の惑星が存在する、その事実を証明する確信めいた発言のようにも読み取れなくもない。
そして、日本時間2月23日午前3時、NASAは39光年先の宇宙に地球とよく似た太陽系外惑星を発見したことを発表した。
今回の発表は赤外線を捉えるスピッツァー宇宙望遠鏡などで観測し、惑星を発見するに至ったというもの。それは太陽に相当するTRAPPIST-1(トラピスト1)を恒星とする7つの星の集団。しかも、少なくともその3つは地表に液体がそのまま存在する可能性があるという。
生命が住むのに適した環境があった
この図はトラピスト1で新たに発見された惑星の一つ(TRAPPIST-1f)の表面を示したもの。NASAの発表によれば、各惑星は恒星トラピスト1から程よく距離感を保っており、水が完全に蒸発するほど熱くもなければ、凍りつくほどの寒さでもないことからも、生命が住むのに適した条件(ハビタブルゾーン)が整っていることまで分かっているらしい。
「この発見は、人類がいつか地球外へと移住する可能性を見つける上での重要なパズルの1ピースです。この宇宙に“我々しかいない”という質問は、今後サイエンスの最優先事項になるはず。ハビタブルゾーンでこれだけの惑星が初めて発見されたことは、人類の目標を達成するための第一歩となるでしょう」。
と、発表の場でサイエンスミッションディレクターThomas Zurbuchenは、質問に答えた。
太陽系の兄弟に会いに
未知なる宇宙の向こうへ
さすがに気が早い(!)というほかないが、なんとNASAの関連研究所は、トラピスト1周遊ツアーなる宇宙旅行を連想させるポスターイメージまで作成していた。はるかなる太陽系の“兄弟”へと訪れる宇宙旅行が、いつの日か現実のものとなる…のは夢のまた夢?
早朝の公式発表、見逃した人はこちらから。