NASAが「宇宙ヨット」の開発を本格化!2022年に実験へ
宇宙事業では、数年前から「ソーラーセイリング」による宇宙探査の可能性に注目が集まっている。
「ソーラーセイリング」とは、宇宙船が大気圏外にて大きな帆を展開し、太陽光から推進力を得て移動を行うという方法。この方法を利用する宇宙船は、海上における風を利用したヨットと似ているため、「宇宙ヨット」とも呼ばれている。
太陽光がもたらす圧力による推進は、非常に微弱であるが、宇宙空間には摩擦が無いことから加速が蓄積する。帆の面積と機体の軽量化によって、21世紀に入ってからようやく実現された技術だ。
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この分野に関しては、様々な企業・団体が研究を進めているが、先日アメリカ航空宇宙局「NASA」は、未来に向けた宇宙開発の実験として「ACS3ミッション」を発表。目的は、最先端技術を詰め込んだ「宇宙ヨット」を打ち上げ、様々なデータを収集すること。
肝となる帆の素材には、柔軟性・剛性・軽量を兼ね備えた特別な素材(炭素繊維で補強されたポリマー)が用いられ、広げたときには、一辺約9メートルの正方形になるらしい。
また太陽光発電も同時に行い、機体の形状を観察するためにデジタルカメラも備えられているとのこと。
“船”の文字を使う宇宙船だが、まさか本当に「帆」を揚げるようになるとは……。同ミッションは、2022年半ばまでの開始を予定しているようだ。
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