「パクられないため」に、NASAが最新宇宙服に使った小細工

50年の時を超え、いよいよ近づいてきた人間の月面への“帰還”。

NASAの「アルテミス計画」は粛々と進み、ついに先日、月面で活動するための新型宇宙服がお披露目された。

© 2023 Axiom Space, Inc.

こちらが、NASAが発表した新型スーツ「Exploration Extravehicular Mobility Unit(xEMU)」。

民間の宇宙開発起業「Axiom Space」が開発したもので、2025年に実施予定のミッション「アルテミスIII」で投入するための装備だ。

月面でのより細かな調査活動を想定し、従来の宇宙服と比較して動きやすくなっているのが特徴で、特に下半身の柔軟性が向上。これにより、しゃがむ・かがむといった動作をしやすくなっているという。

ところで気になるのは、斬新な色。

© 2023 Axiom Space, Inc.

宇宙服が決まって白なのは、熱を反射して着用者を保護するための措置。一方のxEMUはを基調とした配色だが、これは「独自の技術を隠すために」展示用のカバーをつけた状態なのだそう。

他国に模倣されるのを防ぐ狙いなのだろうか。実際に月へと旅立つ際には、従来と同じく白いスーツが投入されるようだ。

さて、新たな装備も発表され、本格的に活発化の兆しが見えてきたアルテミス計画。主導はNASAが行っているが、このプロジェクトでは民間企業や他国の組織と積極的にパートナーシップを結び、長期的な企業の発展を助長するという狙いもある。

このスーツが実装される第三段では、初の女性や有色人種を含むチームを月へと送る予定であり、宇宙開発における多様性の先端を担う計画でもある。

最終目標である「人類の火星への到達」に向け、あらゆる意味でのインクルージョンが体現されることを期待したい。

Reference: axiomspace.com
Top image: © 2023 Axiom Space, Inc.
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