皮膚と同じ仕組みで「1秒で自然治癒する壁」をNASAが開発
NASAとミシガン大学の共同開発により、自然治癒する「壁」が開発されました。
仕組みは「人間の皮膚」と同じ
ポリマーで作られた壁の中には、酸素に触れると凝固する特殊な液体が入っています。壁が損傷すると当然液体が外へと漏れだしますが、その瞬間急速に凝固し新たな壁へと再生して代わります。
つまり、人間の皮膚と血液の役割と同じ。しかし、傷がふさがるスピードは1秒かかりません。
銃弾を受けても1秒で修復
研究の共著者であるミシガン大学のティモシー・スコット氏は、科学情報誌「IFLScience!」でその凝固スピードの速さを強調しています。
動画の実験で使用された壁の厚さは1mmですが、10~100ミクロンの薄さまでは、効力に影響を及ぼさずに生産できるとか。人間の皮膚や赤血球と同じレベルのサイズ感で使用できると言われています。
もともとは宇宙ステーションが受けた傷の修復を、人の手を使わずにできるようにと開発が進められていましたが、将来的にはより安全な航空機の壁や燃料タンクを作るための方法としても応用が期待されています。
ちょっと飛躍しますが、もし修復後の状態まで管理できるような技術ができれば、「モノ」が自然治癒するということが、当たり前になってしまうのかもしれません。