NASA「火星の大気のほとんどは、宇宙へ出て行ってしまったんだよ」
地球以外の惑星に人類が住めるようにする、テラフォーミング。現在は火星が一番適していると考えられていますが、そんな火星には数十億年前には「大気と水」が存在していたと言われています。
では、なぜ大気を失うことになったのでしょう?
なぜ、極寒の不毛地帯となったのでしょう?
火星の地表や大気を調べるべく打ち上げられた宇宙探査用ロケットMAVEN(Mars Atmosphere and Volatile EvolutioN)からの新情報によると、太陽風と放射線が火星の大気を吹き飛ばし、宇宙へ放出された、ということが分かったのだとか。
「惑星」はどのように
変化していくのか
今回の結果で「過去の火星の環境が、どういったものであったのか」が解明されるかもしれず、さらに言えば「惑星というものが、どのように変化していくのか」という推測にも応用できるとのこと。
もしかしたら、地球が今後どのように変化していくのかも分かるかもしれませんし、これらの研究を逆手に取れば、火星に大気を留めておくことも可能になるのかも…。
大気は「玉突き」で
飛ばされた?
Image by NASA’s Goddard Space Flight Center
これまでにも、火星に大気がほとんどない理由にはいくつかの説があったそう。でも、今回の結果で「"Sputtering"により火星の大気は宇宙へと逃げた」という説が濃厚になったという。
では、"Sputtering"とは?コレがけっこう難しい。日本語に訳しても、スパッタリングとカタカナ英語のまま。簡単に説明すると、ビリヤードの玉突きのようなもの。つまり、このスパッタリングによって、太陽風に捕らわれたイオンが火星の大気を宇宙まで突き飛ばした、ということ。
さらに詳しく知りたい方はこちらの動画も見てみてください。2013年にNASAによって作られた動画で「スパッタリング」について説明しているものです。