世界初「火星の音」がNASAより公開

昨年12月13日、NASAが初めて「火星の塵旋風」のを公開。

塵旋風(じんせんぷう)とは、地表の大気の乱れによって起こる気象現象で、竜巻に似た縦方向の突風の一種。日本では「旋風」や「辻風」とも呼ばれ、地球でも比較的よく確認されている。

火星においてはかなり頻繁に起こるもので、塵の循環にあたって大きな役割を果たしているそうだ。

音源は2021年に火星に着陸した探査車「パーサビアランス」が、同年9月に収録したもので、2回にわたって突風が突き抜ける音が聞き取れる。

音源はこちら。

© ISAE-SUPAERO/YouTube

これまでの調査で塵旋風の他のデータは揃っていたものの、21年にパーサビアランスが着陸するまで火星上にマイクが持ち込まれたことはなく、火星の音を実際に捉えたものとしてはこれが初となった。

音自体はさほどインパクトのあるものではないが、塵旋風の仕組みを理解する上で、この音声は重要な意味を持つという。

火星の気象にとって重要である塵旋風を把握することは、火星そのものを理解することに繋がるのだ。

探査車が捉えたデータを照らし合わせた結果、この塵旋風は高さ118メートル以上、幅25メートル以上だったそう。

割と大規模に感じられるが、火星で起こるものの中では平均的な大きさであるらしい。

さて、先日公開されたブラックホールの轟音とは異なり、これは言われなければ火星のものとは分からないような、地球の風と大差ない音だった。

比較対象にはならないかもしれないが、ブラックホールに近づくことに比べれば、人間が火星に住むビジョンは現実的……と言えるかも?

Top image: © NASA
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。