リアルな出会いを促す“ポケモンGO式”恋愛体験──新感覚デーティングアプリ『Left Field』
デーティングアプリ市場は、長年にわたり「スワイプ文化」に支配されてきた。画面を左右にスワイプしながら相手を選び、マッチング後にメッセージをやり取りする。
だが、こうした仕組みに疲れを感じるユーザーも増えており、効率的すぎるマッチングが「人と会う楽しさ」を奪っているという指摘もある。
そんな中、2025年2月、ニューヨーク発の新しいデーティングアプリ「Left Field」が登場した。このアプリは、スワイプという仕組みを廃止し、「現実世界での出会い」に重点を置く新しいアプローチを採用している。
ポケモンGOのように“偶然の出会い”を生み出す
「Left Field」の最大の特徴は、位置情報を活用したマッチングシステムだ。アプリを起動し、GPSをオンにすると、近くにいる相性の良いユーザーが通知される仕組みになっている。これは、スマートフォン画面の中だけでやり取りするのではなく、実際の生活圏内で自然な出会いを生み出すことを目的としている。
このコンセプトを発案したのは、Samantha Martin と Kate Sieler の二人。金融とコンサルティング業界でのキャリアを捨て、友人や家族からの資金調達を経て、このプロジェクトを立ち上げた。Martinは、「私たちは『ポケモンGOのようなデーティングアプリ』を目指しています」と語る。
バーチャルではなくリアルの場で交流を
「Left Field」は、アプリ内のマッチングだけでなく、実際のイベントを活用した出会いの機会も提供する。例えば、地元のカフェ、ランニングクラブ、コメディクラブと提携し、ユーザー同士が自然に出会える場を作り出している。さらに、2025年5月には大学キャンパスへの拡大を計画し、学生向けのアンバサダープログラムを導入予定だ。
大手アプリの衰退と、新たな市場の可能性
「Left Field」の登場は、デーティングアプリ業界の変化を象徴している。Bumble や Match Group などの大手企業は近年、株価の低迷に直面している。その背景には、ユーザーの「マッチングアプリ疲れ」がある。何百ものプロフィールをスワイプし、メッセージを交わしても、実際に会うまでのハードルが高い。
その点、「Left Field」は、アプリを使うこと自体がリアルな出会いに直結する設計となっている。共同創設者のMartinは、「今こそデーティングアプリの転換期。人々はこれまでのシステムに飽きていて、新しい形の出会いを求めている」と語る。
今後の展開に期待が集まる
まだリリースされたばかりの「Left Field」だが、すでに多くのユーザーが興味を示している。特に、画面上のやり取りではなく、実際の生活の中で自然に人と出会いたいと考える層 にとって、新しい選択肢となる可能性が高い。
「ポケモンGOのように、人々が“偶然の出会い”を楽しめるアプリを作りたかった」と語るMartinとSieler。彼女たちのアイデアが、今後のデーティングアプリ市場にどのような影響を与えるのか、注目が集まっている。