「ポケモンGOプレイヤーを選挙にGOさせたい!」人気の余波に便乗する米大統領選
ポケモンゲットで集票も獲得できる?
日本よりも一足先にアメリカでローンチされた「ポケモンGO」。その爆発的人気は、米大統領選にも影響を与えようとしている。ヒラリー・クリントン、ドナルド・トランプ両陣営とも、話題のゲームアプリを活用してあの手この手の集票合戦。
二人の候補の活用の仕方を比べてみると、“らしさ”が出ていてオモシロい。「めざせポケモンマスター!」便乗キャンペーンを制した先に、大統領の椅子が待っている!?
子ども大歓迎!のヒラリー陣営「ポケストップ」で公式集会
(オハイオ州の公園で7/16日に開かれた公式集会。じつはここ、ポケストップなだけじゃなく、モンスター同士を戦わせるジムにも指定されている場所。これがわかっていたヒラリー陣営は、モンスターをおびき寄せまくってスピーチの時間に合わせる戦略に出た。若者層をターゲットにリーチを増やす作戦)
「ポケモンGOを誰が開発したのかまでは知らないけれど、このアプリを使って投票につなげる方法は考えてきました」
2016年7月14日、クリントン氏はこう発言するとと同時に、陣営から2日後(16日)オハイオ州レイクウッドにあるマジソンパークで公式集会を開くと発表した。じつはこの公園、ゲーム内でポケモンを一時的に出現させる課金アイテム「ルアーモジュール」が使用できるポケストップと呼ばれる場所に位置し、さらにはモンスター同士を戦わせるジムにも指定されている場所。陣営は公式サイトで「ポケモンを捕まえて戦わせよう」と呼びかけていた。
そして16日当日、集会が開催される公園にポケモンを放ち、集客につなげる狙いは功を奏し、「多くの人が有権者登録を済ませた」とボランティアの声を「Patch」は伝えている。
先の世論調査の結果を受けて、接戦が続くオハイオ州での支持拡大が急務とみたクリントン陣営。ポケモンとともに小さい子ども連れの家族を呼び寄せたいという狙いがあったはず、と「The Wall Street Journal」は指摘している。
トランプ陣営はパロディ動画
モンスターボールでヒラリーゲット
さて、一方のトランプ陣営も黙っていない。同日(16日)の午後には、早くも対立候補の戦略を揶揄するパロディ動画を、トランプ氏の公式Facebookで公開。ポケモンGOのロゴをそのままもじった「CROOKED HILLARY NO!(いんちきヒラリーはNO!)」がそれだ。
モンスターに扮したクリントン氏に向かってモンスターボールを投げると、あっけなくゲットされてしまう。彼女のデータ紹介欄には、「たびたび米国民にウソをついたり、機密事項をメールで共有する。次の進化:失業」、といった具合にトランプ氏らしい皮肉たっぷりで応戦した。
全米で6,500万人がダウンロードしたとも伝えられている、話題騒然のゲームアプリを使った投票推進活動について、公式には言及していないトランプ陣営。それでも、ポケモンGO人気に便乗した“つばぜり合い”は、まだまだ続きそうな予感がする。