コスメブランドとNYタイムズが結託、米大統領選に向け大胆キャンペーンを開始

「あなたの娘の未来のために、あなたの祖母の遺産のために投票を」──。

NY発のD2Cコスメブランドである「Glossier」が、2024年アメリカ大統領選に向けて大胆なキャンペーンを展開し、世間をざわつかせている。

Z世代に届け!
女性の権利への支持を強化

「Cosmetics Business」によると、Glossierは、目前に控えた大統領選を前に「The New York Times」とタッグを組み、キャンペーンを展開。

彼らは女性の政治参加を支援する団体「Ignite National」と、リプロダクティブ・ヘルスの権利を擁護する団体「Reproductive Freedom for All」への寄付を表明。そのメッセージは、Instagramへの投稿紙面広告という異色の組み合わせで、全世界へ大々的に発信された。

© Instagram / glossier

「いいね」だけじゃ物足りない
共感を生み出す新たな消費体験

Glossierは、創業当時から画一的な美の基準ではなく、一人ひとりの個性を尊重するブランドとして多くの支持を集めてきた。創設者のエミリー・ワイス氏は「私たちは女性に美の基準を押し付けるのではなく、彼女たちが望むものを提供するためにグロッシアーを設立した」とインタビューで語っている。

近年、世界的にジェンダー平等や社会正義への意識が高まるなか、彼らの姿勢はまさに時代の流れを捉えたものと言えるだろう。

また、従来のD2Cブランドはインフルエンサーマーケティングに注力し、消費者の購買意欲を刺激することで成長を遂げてきた。しかし、情報過多な現代社会において、消費者は商品やサービスの背景にあるストーリーや、ブランドが持つ哲学に共感を求めるようになっている。

社会貢献活動を通してブランドの価値観を共有することで、消費者に「共感」と「参加」を促すGlossier。彼らはZ世代の心を掴むだけでなく、これからのブランドの在り方そのものを問いかけている。

👀GenZ's Eye👀

今回の2つの団体への寄付から、「女性に美の基準を押し付けない」という強いメッセージを感じる。美の基準を判断する言葉が次々と生まれるなか、ユーザーに寄り添い、これほどまでに安心感を与え、味方でいてくれるコスメブランドは他にないのではないだろうか。現代は、企業の社会への取り組み方次第でボイコットが起こる時代。企業理念に基づいた社会問題への取り組みは、今後ますます増えていくに違いない。

Top image: © Shutterstock.com / rblfmr
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。