「体温で形が変わる」新素材。三井化学の『ヒューモフィット』はパーソナライズ・デザインに革命起こすか

自分の足の形にぴったりフィットする靴があったら。科学の力で、そんな理想の履き心地を実現する素材がある。

三井化学ファインが開発した『HUMOFIT』(ヒューモフィット)。人の体温を感知して柔らかく変形するという、このユニークな素材が、今フットウェアの世界で静かな注目を集めている。

体温を感知して変形するユニークな素材

『HUMOFIT』は、室温と体温の間で柔らかくなるよう特別に設計されたプラスチックシート。

人の体温が伝わると、その部分がしなやかに変形し、触れた体の形に吸い付くようにフィットする仕組みだ。

人それぞれ異なる足の形や、体の複雑な凹凸にも追従するため、まるで自分専用に作られたかのようなフィット感を生み出す。この素材一枚で、既製品に「パーソナライズ」という価値を付与する。

© Mitsui Chemicals Group/X

婦人靴から高機能インソールまで広がる採用例

この特性にいち早く注目したのが、フットウェア業界。

例えば、レディースアパレルブランド「farfalle CLASSICAL」は、パンプスのインソールにこの素材を採用。低反発クッションなどと組み合わせることで、履いている人の体温でインソールが足裏の形を記憶し、まるでオーダーメイドのような履き心地を実現しているという。

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その他、スポーツインソールブランドや帽子、さらには椅子などのインテリアに至るまで、その可能性は様々な業界から注目を集めている。

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パーソナライズを加速させる素材の力

これまで画一的になりがちだった製品に、手軽にフィット感という価値を与える『HUMOFIT』。

フットウェアだけでなく、アパレルやスポーツ用品など、その応用範囲は広い。この一枚のシートが、私たちの身の回りにある製品の快適さを、これから大きく変えていくのかもしれない。

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。