PS5コントローラーで受精!?不妊治療用ロボットの操作に活用。
不妊治療が劇的に進化するかもしれない。
「Overture Life」というスタートアップ企業が、ロボットを用いた人工授精に成功したことをマサチューセッツ工科大学のメディア「MIT Technology Review」が報じた。
現代の不妊治療は日々進化し続けている一方で、訓練された技師が、顕微鏡下で極細の針を用いて精子や卵子を繊細に扱うがゆえ、そのプロセスにはかなりのコストがかかる。
体外受精を自動化する取り組みは不妊治療のコストを抑え、より多くの赤ちゃんが生まれる可能性を秘めており、「Overture Life」社の試みが世界で注目されている。
開発されたロボットは、不妊治療の経験がないエンジニアの一人が操るプレイステーション5のコントローラーで精子細胞を注入する針の位置を決めると、卵子をカメラで捉えながらロボットは自ら前進し、卵子を貫通させ、精子細胞を落としたという。
このロボットによってできた健康な受精卵から、2人の女の子が誕生し、ロボットの自動制御による初めての人間であることを彼らは主張している。
人工授精用ロボットの開発において完全な自動化までの道のりはまだまだ遠く、今後も進化し続けていくだろう。
また、繊細な操作が要求されるゲームのために設計されたコントローラーが、医療の現場で活用され得るということが証明されたからこそ、様々な分野でその操作性を活かした試みに応用されていくことを期待したい。
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