SONYの「転売対策」に賞賛の嵐。限定版PS5予約に「30時間」の壁

転売ヤーによる買い占め、そして高額転売。発売と同時に品薄となる人気商品においては、年々その傾向が顕著にある。

しかし、「ソニー」が今年11月に発売を予定している「PS5 Pro」の限定版では、転売ヤー撲滅に向けて革新的な試みを発表し、世界中のゲーマーから喝采を集めていることをご存知だろうか。

転売ヤー撃退なるか?
ゲーマーの“熱量”を選別基準に

今年11月21日に発売予定の「PlayStation®5 Pro 30周年アニバーサリー リミテッドエディション 特別セット」。日本では予約開始にあたって「PS4またはPS5におけるプレイ時間30時間以上」という条件が課せられることが明らかになった。これは初めて適用されるもので、過去のプレイデータによって真のゲームファンを優遇するという、ソニーの新たな挑戦と言えよう。

これまでは、購入数量制限や本人確認が一般的な転売対策として行われてきたが、根本的な解決には至らないという課題があった。今回の新たな試みは、単なる需要と供給のバランス調整ではなく、“ゲームへの情熱”というある種の倫理観に訴えかけるもの。

すでにSNSでは、「素晴らしいアイデア」といった賞賛の声が多く寄せられ、長年転売問題に悩まされてきたゲーマーにとって、ソニーの挑戦がまさに待望の施策だったことをうかがわせる。

プレイ時間だけが絶対条件?
課題と新たな問題点

ただ、そのいっぽうで「プレイ時間の証明は難しい」「中古で購入した場合はどうなるのか」といった疑問の声も。たしかに、30時間というプレイ時間の基準は、普段ゲームをする時間があまり取れない人にとっては、少しハードルが高く感じる。

また、ゲーム機を持っていない人が、初めて「PS5 Pro」購入を検討している場合、家族でゲーム機を共有している際は個別にプレイ時間を証明する必要があるのかなど、具体的な運用方法にはまだ検討の余地がありそうだ。

それでも、ソニーの試みは、ゲーム業界を超えて様々な分野に波及する可能性を秘めている。

近年、シェアリングエコノミーの台頭など、「所有」に対する価値観は変化しつつある。希少価値やステータスシンボルとしての所有欲を満たすのではなく、本当にその商品を必要とし、愛着をもつ人々に届ける。同社の取り組みは、そんな時代の流れを象徴しているとも捉えられる。

チケットや限定スニーカーなど、転売問題に頭を悩ませる業界は多いが、もしも“熱量”を選別基準としたシステムが普及すれば、転売ヤーの暗躍を抑制し、真のファンに商品を届けることができるのかもしれない。それは、これまで当たり前とされてきた「所有の時代」の終焉を告げ、本当に価値のあるものを共有する。新たな社会への第一歩となる、とはいささか考えすぎだろうか。

👀GenZ’s Eye👀

限定品をはじめ数量限定の商品に購入条件を設けるのは合理的。もちろんこれはゲーム業界だけの問題ではない。これをきっかけに「本当に欲しい人に適正な価格で」届けられるシステムや条件についての議論が活発化するのではないだろうか。

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