NASA、世界的な「酸素不足」でロケットが飛ばせない

新型コロナウイルスの重症患者をケアするため、医療用酸素の需要が各国で急増中。そして、その影響がNASAにまで及んでいるようだ。

NASAは、地球観測衛星「ランドサット9号」の打ち上げ日を1週間遅れた9月23日に延期したことを発表した。

しかしながら、同ロケットの推進剤として使用されていたのは、“液体窒素”。それが何故、液体酸素の不足と関係しているのか?

NASAの発表によると、液体窒素はカリフォルニアに多くの準備があるが、発射施設まで運搬するタンクローリーの手配が難しくなっていたという。本来であれば、液体窒素を運搬していた業者が、現在は“液体酸素”の運搬業者として、フロリダ州へと駆り出されていたようだ。

「SpaceX」のGwynne Shotwellは、先日開催されたSpace Symposiumの場で「2021年は打ち上げ用の液体酸素が不足するため、実際にその影響を受けることになるでしょう」とコメントを残している。

また、フロリダ州オーランド市当局は、住民に節水を呼びかける通知も送られていた模様。同市の水道施設で処理に液体酸素が使われているが、現在供給量に制限が設けられており、同市の水質保持が困難になるかもしれない恐れがあったようだ。

様々な分野に影響を与えている世界的な酸素不足。だがしかし、ここは人命救助を最優先に足並みを揃えて欲しいところだ。

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