【異常高温】ヨーロッパでは"死の危険性"が高まっている!
アジア、北米などで記録的な猛暑が続いている。ヨーロッパも同様で、一部の地域では、連日気温が40度を超え、シチリア島では気温が47度まで上昇したらしい。暑すぎてアイスが売れないというパラドックスのような状況も起きている。
また、この異常な暑さはヨーロッパ各地で山火事など災害も誘発。スペイン・カナリア諸島のラピルマ島では4000人以上が避難する火災が発生し、ギリシャやスイスでも大規模の火災が猛威をふるった。
このような状況から、世界気象機関 (WMO) は「死の危険性が高まる」と警告を発している。
地球を沸騰させた原因はナニ?
科学者らは、こうした過剰な暑さは化石燃料の使用と関連しているという意見で一致している。それによって排出された温室効果ガスが地球温暖化を進行させ、気候変動が起こっているというわけだ。
上昇した気温は作物の生産には悪い影響を及ぼし、それが結果的に物価高騰にもつながって、完全に負のスパイラルに陥ってしまっている。
異常高温は驚きの好影響を
引き起こしている
気温はまったく下がりそうにない状況にあるが、ここでポジティブな気持ちにしてくれる知らせをひとつ。
気候変動はウェールズのワイン生産に好影響をもたらしているらしい。
ぶどうが育ちにくい寒冷な気候からワイン生産には適さないと言われていたが、記録的な猛暑によって収穫量が2倍以上に跳ね上がっているとのこと。ぶどうもジューシーで糖分もアップ。ウェールズワインのクオリティを底上げする結果に。
混沌とした気候の時代
今年から急に異常気象が増えているようにも思えるが、じつは、イギリス気象庁・英エクセター大学の気候科学者Richard Betts氏によると「世界の気温が高いのは意外なことでもなんでもない。ずっと前から分かっていたことを、あらためて確認しているだけ」らしい。
振り返れば2015年、気温上昇を1.5度未満に抑えるという「パリ協定」に55ヵ国以上が批准したにもかかわらず、世界的に排出削減を進めてこなかった結果ということだろう。加えて、今回の異常気象は温室効果ガスを減らす必要性をさらに高めてしまった。
だからこそ、手遅れにならないうちに対策を打ち、排出量を少しでも減らすことが急務となっている。