【研究結果】ネガティブな人がいた方が、チームの創造性は高まる

新しいプロジェクトに着手して、自らチームのメンバーを決めるとなったら。

同じチームとして働くならやっぱり、明るく前向きで、柔軟な思考を持つ……そんな“ポジティブな人”が理想的、とされてきた。

ところが、先日アメリカで発表された研究結果によると、チームにその「真逆の人」がいることも、じつはポジティブな効果につながるらしい。

米ヒューストンのライス大学を中心に進められたのは、「感情の多様性がチームのクリエイティビティに及ぼす効果」に関する研究。

この研究は感情の多様性がチームのクリエイティビティを促進することを示唆するもので、その中で“ネガティブな人”が持つ可能性について言及されている。

いわく、批判的で頑固な“ネガティブな人”は、プロジェクトの問題点をクリティカルに突き止めたり、情報や要素の良し悪しを判断する能力に長けているのだそう。

ポジティブな人が柔軟な思考で情報の幅を広げる一方で、ネガティブな人はそれらの情報を深掘りして評価する。「デュアルチューニング」と呼ばれるこのコンボによって、プロジェクトはより広く、より良い要素に彩られていく、というわけだ。

研究では、香港の大学の経営コースで1学期のプロジェクトに取り組む59のチームを対象に、この仮説を検証。結果、ディアルチューニングを適用したチームはどちらか一方だけが集まった場合よりも良い成果を得られたそう。

これは、近年注目されている「トランザクティブメモリー」にもつながる話。全員が同じ考えや情報を持っているわけではなく、それぞれが多様な視点で仕事を進めることこそ、効率的なクリエイティビティにつながるのだ。

要は、「ネガティブな人も、ポジティブな要素のうち」ってこと。

そう考えれば、ネガティブな人がいることは今後の新しい「理想のチーム」の条件の一つ。和気あいあいが好きな人も、たまには批判的な人に意見を求めて、新しい問題点の切り口を見つけてみるのもいいかも?

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