あなたの中に眠る才能を開放。2025年、「ナレッジブローカー」が未来を創造する
オフィス家具メーカー「株式会社オカムラ」が、2025年の“はたらく”を取り巻くトレンド予測として「はたらき方のトレンド2025」を発表。
同社のワークデザイン研究所によれば、2025年は「人口減少・人材不足」と「豊かさに対する価値観の変化」を背景に、これまで以上に個人が持つ経験や知識をいかに組織や社会に繋げ、新たな価値を生み出していくかが問われる時代になるという。
組織の「当たり前」が
誰かのイノベーションに繋がる
なかでも注目すべきは、「ナレッジブローカー」という働き方。 ナレッジブローカーとは、企業や組織の枠を超えて、専門知識やスキルを持つ人々が繋がり、互いに情報やアイデアを交換し合うことで、新たな価値やイノベーションを生み出す存在を指す。
オカムラの「働き方・働く場に関するトレンド調査/2024年」(n=2000)によると、「自分の会社には活用されていない知的資源がある」と回答した人が78%も存在するという。 これは裏を返せば、多くの企業に、まだ見ぬ才能やアイデアが眠っているということだ。 ナレッジブローカーは、そうした埋もれた才能を発掘し、組織の壁を越えて繋ぎ合わせることで、イノベーションの火付け役となる可能性を秘めている。
リスキリングは「学び直し」
ではなく、「未来への投資」
「リスキリング」も、2025年の重要なキーワードのひとつ。しかし、同調査では、リスキリング制度があると回答した人は26%だったのに対し、実際に活用した人はわずか7%にとどまっている。 せっかくの制度も、学習意欲を高め、学びを“自分ごと”として捉えられなければ意味がない。
リスキリングは、決して「企業に言われたから仕方なく」取り組むものではない。 変化の激しい時代を生き抜くために、そして、自らの市場価値を高め、より良いキャリアを築くために、積極的に「未来への投資」として捉え直す必要がある。
メンター制度で「相互成長」と
「社内コミュニケーション活性化」を
2025年には、メンター制度の重要性もさらに高まっている。 同社は、メンター制度は若手社員の育成だけでなく、メンター自身の成長促進や組織全体の活性化にも繋がる点を強調している。
同調査では、メンター制度を導入していると回答した企業は全体の41%。 メンティーは、経験豊富な先輩社員からの指導を通して、業務に必要な知識やスキルを習得するだけでなく、キャリアプランや仕事に対する価値観など、多岐にわたる学びを得ることができる。
いっぽう、メンターも指導を通して自身の経験や知識を改めて整理することで、新たな視点や気づきを得ることが期待できる。 メンター制度は、単なる人材育成プログラムではなく、「相互成長」を促進する仕組みとして、その存在感を増していくことだろう。
「完璧主義」はもう卒業
スピード感のある「アジャイル」な働き方へ
2025年は、変化の激しい時代に対応するために、企業はよりスピーディーで柔軟な対応が求められる。 そこで注目されているのが、「アジャイルな働き方」だ。
同調査によると、「仕事を迅速に進めるためには、完璧を目指すよりも『試して』『直して』を繰り返しながら改善していく方が良い」と考える人が81%に達した。完璧を目指すあまり、なかなかアウトプットが出せなかったり、変化に対応できずに機会損失をしてしまうことは避けたい。 まずは小さく始めてみて、改善を繰り返しながら、完成度を高めていくアジャイルな仕事の進め方が、これからの時代において重要になってくるだろう。
ナレッジブローカー、リスキリング、そしてアジャイル。これらのキーワードが示すように、2025年は、変化を恐れず常に学び続け、新たな価値を創造していくことが求められる時代となりそうだ。