「ポパイ」「タンタン」2025年、著作権切れでパブリックドメインに
誰もが知る人気キャラクター、「ポパイ(Popeye)」と「タンタン(Tintin)」。じつはこの2人、2025年から米国で誰でも自由に使用できるようになる。1929年に発表された彼らの著作権が、米国著作権法の定める保護期間、95年を迎えるためだ。
著作権切れで、名作がパブリックドメインへ
著作権保護期間の満了は、ポパイやタンタンのようなキャラクターだけでなく、数多くの文学作品や音楽、映画にも影響を与える。たとえば、アメリカの文豪ウィリアム・フォークナーの代表作『響きと怒り』やアーネスト・ヘミングウェイの『武器よさらば』も、2025年からパブリックドメインになる作品だ。
これらの名作が自由に使えるようになれば、クリエイターにとっては創作の幅が広がる絶好の機会となるだろう。現代の技術や感性を取り入れたリメイク作品や、新たな解釈を加えた二次創作など、これまで見られなかった作品が生まれる可能性もある。過去の文化遺産が現代に蘇り、新たな光を浴びることで、私たちの文化生活はより豊かになるかもしれない。
ミッキーマウスの事例を超えられるか?
巨大ビジネスに発展する可能性
今年、ミッキーマウスの初期のデザインの著作権保護期間が満了し、大きな話題となったことは記憶に新しい。しかし、この話題を伝える「Taipei Times」は、今回の「ポパイ」や「タンタン」のパブリックドメイン化が、ミッキーマウスほどのビジネスインパクトを与えるとは考えていないようだ。
それでも、誰でも自由にキャラクターを使用できるようになれば、個人や小規模ビジネスでも参入しやすくなる。そのため、大手企業が主導するような巨大ビジネスではなく、個性的な商品開発や地域密着型のサービス展開など、多様な広がりを見せる可能性もあるだろう。
著作権保護期間満了は
文化の転換点
AIによるコンテンツ制作が進む現代において、著作権保護期間満了は新たな課題と可能性を提示する。AI学習データとしての活用や、メタバース空間での新たなコンテンツ展開など、私たちがコンテンツに触れる機会は今後ますます多様化していく。
AI技術の進化とパブリックドメイン化の波は、コンテンツビジネスのあり方を大きく変える可能性を秘めている。2025年、ポパイとタンタンが象徴する変化の波に乗り遅れないようにしたい。