国連最新報告書、世界の食料危機の「高まる可能性」に警鐘
「国際連合食糧農業機関(FAO)」が新たな報告書「食料と農業の展望:変革のドライバー(原動力)とトリガー(引き金)」を発表。
持続的な食料不安、資源の劣化、持続可能ではない経済成長を特徴とする未来に向かうと警告を呼びかけている。
記載されている内容では、農業・食料システムのパフォーマンスを左右する社会経済的、環境的「ドライバー(原動力)」として分析。
あわせて、食料安全保障、栄養、天然資源の保全、生態系の回復、気候変動の緩和を実現するための農業・食料システム変革を引き起こす主要な「トリガー」を特定。現在の世界的な状況では、社会経済システムに大きな打撃を与え、環境システムを破壊している、と述べている。
危惧を示すだけでなく、今後の世界が辿る姿として「同じことの繰り返し」「調整された未来」「底辺への競争」「持続可能性のためのトレードオフ」とした4つのシナリオを描き展望を解説。
詳しくは原文レポートに記載されている。
どのシナリオを歩むにせよ、2050年には世界で100億人が食料を必要とするようになり、今の流れを覆すための大きな試みがなされなければ、未来が明るくなることはない。
ただし、報告書は世界が「進むべき道からとてつもなく外れている」としている一方で、政府、消費者、企業、学界、国際社会がいま行動すれば、長期的に持続可能な変化をもたらせるとも、慎重ながら前向きな見方を示している。
『「食料と農業の展望」The Future of Food and Agriculture (FOFA)2022』
【レポ―ト(英文)】
https://www.fao.org/documents/card/en/c/cc0959en
【要約版(英文)】
https://www.fao.org/documents/card/en/c/cc1024en