パリ市内に鳴り響く地球の「腹の音」。
今年5月27日、パリ市内にて、異様な轟音が鳴り響いていることが各ソーシャルメディアを通して話題となった。
何かのうめき声に聞こえるような轟音に、街行くパリ市民は混乱。ある者は、戦闘機の音だと感じ、ある者はビルが崩壊する音だと感じたと話している。
この轟音の正体、ちょっと過激に思えるが、世界中の飢餓と闘う国際NPO団体「Action Against Hunger」によるキャンペーンだと判明したようだ。
© Hungry and Foolish/YouTube
飢餓と轟音が、なぜ結びつくのか?
フランスの食糧農業機関によると、食糧危機の3つの主要な原因は、戦争・経済的ショック・気候変動にあるという。
今回のキャンペーンでは、気候変動が食糧危機にも結びついている事実の啓蒙活動として、地球が空腹で苦しんでいる音=地球の腹の音として、パリ市内に流す企画が提案された。
人々が驚いたこの「腹の音」は、嵐や地滑り、氷山の崩壊、ハリケーンなど気候変動による災害の音を中心に合成されているようだ。
また、合わせて公開されているキャンペーン動画の最後には、「私たちが2030年まで何も取り組まなければ、1億人の人々が栄養不足に陥る」との文言も。
日常を送っていたパリの人々は驚いたことに違いないが、このような内容が多くの人に伝わったことを思うと、とても意味のある施策だったのではないだろうか。
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