日本の「フードロス」は世界で何位?

日本のフードロス事情

フードロス(または、食品ロス)とは、食べ残しや売れ残り、調理段階で切り落とした部分などの本来食べることができたはずの食品が廃棄されることです。2019年に農林水産省が発表した資料によると、日本国内の食品ロスは年間643万トンにものぼり、日本人の一人当たりの年間食品廃棄物量は世界で第6位、アジアではワースト1位という多さです。大きな原因のひとつとして賞味期限が関係しており、まだ食べられるけど賞味期限が近いから、切れたからという理由で破棄されるのが大きな課題となっています。

農林水産省は2001年に「食品リサイクル法」を設けて、フードロスの発生抑制と再利用に向けて取り組むように食品関連事業者に義務付けました。しかし、日本のフードロスの約50%は家庭から発生していることもあり、大きな事業者だけではなく私たちひとりひとりが意識していくことが求められているというわけです。

そこで、今回は、TABI LABOで過去紹介した国内のフードロスへの対策をまとめました。フードロスに向き合うきっかけとなればと思います。

学食でも「フードロス」の削減を。
フードシェアリングサービス「TABETE」の挑戦

東京農業大学でのフードロス対策
©Tokyo University Of Agriculture. All Rights Reserved.

飲食店で発生した「捨てざるを得ない危機」の食品を、ユーザーがお得に購入することによって「レスキュー」できるサービス、TABETE。2019年10月の時点で16万人のユーザーと約320店舗が登録しており、グッドデザイン賞も受賞しました。このプラットフォームを東京農業大学は国内で初めてキャンパス内のカフェに導入し、ビュッフェで余った食品をお弁当として学生や教職員が購入できるようにしています。続きを読む>>>

パンのフードロスを削減する
お取り寄せ「rebake」

パンのフードロス対策サービスrebake
©2018 rebake All Rights Reserved.

rebakeはパン屋さんで発生したまだ食べられるのにどうしても廃棄になってしまうパン「ロスパン」お取り寄せできるサービスです。全国のパン屋さんから多種多様なパンを購入でき、収益の一部はフードロスや環境問題に取り組む団体に寄付されるとか。通常なら買いに行けない地方のパンもお取り寄せできるのが魅力です。続きを読む>>>

フードロスや環境保全を意識。
サステイナブルな「ケータリングサービス」

フードロスを意識したケータリングサービス
©CRAZY KITCHEN

2019年11月からCRAZY KITCHENがはじめた「SUSTAINABLE COLLECTION」は、フードロス環境保全を意識したケータリングサービスです。一般市場には出回らない未利用魚などを食材に使用し、割り箸やおしぼりも自然に戻る素材を利用するなどサステイナブルに徹底しているため、食材を見つめ直すきっかけになりそうだと大きな期待が寄せられています。続きを読む>>>

「フードロス」に立ち向かう
“もったいない料理人”松田樹生

フードロス削減料理人「松田樹生」
©2019 NEW STANDARD

まだ食べられるけど捨てられてしまう食材を使った料理「フードロス削減料理」を実践している松田樹生は、“もったいない料理人”としてケータリング・イベント・弁当などを通してフードロスについて発信しています。料理が好きすぎるあまり、使える食材が減ってしまうのが悲しいという理由でフードロスに立ち向かっている彼にかかれば、ナスのヘタやとうもろこしの芯までもが絶品料理へと生まれ変わる今注目の料理人です。続きを読む>>>

 

2020年8月公開予定
映画『もったいないキッチン』

フードロスをなくす映画「もったいないキッチン」
©Macky Kawana

0円キッチン」という2005年に公開されたドキュメンタリー形式ロードムービーの続編が日本に舞台を移し、2020年8月に「もったいないキッチン」として公開予定です。ジャーナリストであり“食料救出人”のダーヴィドさんが旅をしながら廃棄食材を使ったレシピを考案していく内容ですが、「フードロス」をテーマにしながらもエンターテイメントとして楽しめる内容だそうです。続きを読む>>>

2015年に採択された国連の「持続可能な開発計画」、通称SDGsの開発目標に向けて、環境省は2030年までに家庭からのフードロスを半減する目標を掲げました。企業だけではなく個人で取り込むべきフードロス対策を、便利なサービスを知ることから始めてみませんか?

Top image: © iStock.com/MachineHeadz
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。