「フードロスが大嫌いな理由」料理人松田樹生の家庭料理

「寝ても覚めても料理がしていたい」

“もったいない料理人”こと松田樹生は、料理が好きすぎて、使える食材が減ったら悲しいという私的な理由でフードロスに立ち向かっている。また、まだ食べられる食材が無駄にされていることが耐えられないとも。

飢餓や環境問題といった社会的な意義からフードロスに立ち向かう料理人はいても、そんな動機でフードロスに取り組む料理人には出会ったことがない。

彼にかかれば、枝豆の皮やナスのヘタだって立派な食材になる。もちろん、味だって一級品だ。

日々食材の限界に挑戦し、どうすれば美味しく食べることができるのか、調理法を何パターンも繰り返す......。純粋な食材への愛が生む松田樹生の「フードロス削減料理」とは?

Q.「フードロス削減料理」ってなんですか?

僕がやっているフードロス削減料理は、まだ食べられるのに捨てられてしまう食材を活用した料理です。

フードロスといってもすごく幅が広くて、生産、流通、加工とかいろんな過程で無駄が出てくるんですよね。自分の場合、過剰除去されている野菜の皮やヘタ、魚のアラや血合、内臓といった食材を活用した料理を研究開発しています。そのほかにも、おからや酒粕といった廃棄されている副産物、市場に出回らない規格外の野菜や果物なんかも使っています。

たとえば、今はとうもろこしの芯に挑戦しているところです。出汁が出るだけじゃつまらないんで、焼いたり蒸したり揚げたりと試行錯誤を繰り返しています。その工程がめちゃめちゃワクワクする瞬間で、これをどう料理してやろうかって考えると、寝ることも忘れて熱中しちゃうんですよ(笑)。

その他にも枝豆の皮、ピーマンやパプリカの種、ナスやズッキーニのヘタとかを使った料理も研究しているところです。

肝は、“いかに家庭で再現しやすいか”ってところだと思っています。

食べてその料理に感動したら、つくり方を知りたくなるじゃないですか。知ればやれるのに、知らないだけなんですよね僕らって。

たとえば、ちょっと大きめのスーパーに行ったら、おからとか血合とか、内臓とかって安く売ってたりしますよね。でもみんな使い方がわからないから、買ってないだけだと思うんですよ。結局それで、ちょっとしか売れなかったり、廃棄されていたりするがもったいなくて。

11月21日(木)〜24日(日)「ツカノマノフードコート」でポップアップがあるのですが、その時は「ふっかつバーガー」をつくります。「血合いおからバーガー」と「規格外かぼちゃコロッケバーガー」の小さめバーガーのワンプレートセットで、挟む具は普段は捨てられる部位や規格外の野菜など廃棄食材のみ。“ふっかつ”した食材の可能性を体感していただける内容となっています。

Q. なぜ料理人?なぜフードロス削減?

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TVアニメにもなった漫画『ミスター味っ子』に憧れて料理を始めました(笑)。料理にハマったのは小学2年生の時で、当時僕があまりにも楽しそうに料理をしているから、親が料理コンテストに応募してくれて、『TVチャンピオン』(テレビ東京)の料理大会とかにも出たことあります。

『TVチャンピオン』は自分が小学校6年生の時に出たんですけど、小学3年生の女の子にすっごい料理の上手な子がいて、ボロ負けしたんですよね。そこで火がついちゃって、家でも今まで以上に料理ばっかりするようになりました。ほんと自分でもよく飽きないなと思いますよ(笑)。

フードロス削減料理に目覚めたのは高校生の時ですかね。九州の「頭料理」って知ってますか?ハタやクエといった魚のエラや内臓とかを使う料理なんですけど、「こんなところも食えるんだ!」って衝撃を受けたのを今でもよく覚えています。料理オタクの僕はその時、「もっといろんな調理法があるんじゃないかな」と思ったんです。

日本だけでもまだまだ知らない食材や調理法があるんだから、世界の郷土料理とかまでいったら、それだけで相当な量のフードロスが減るんじゃないかなと。

Q. 今後やりたいこと、ビジョンについて教えてください

地道かもしれないけど、フードロスについて発信することで「その捨てている食材、まだ食べられるよ」ってことを知って欲しい。美味いし、安いし、ゴミ減るし、おまけに栄養価高かったりもするし、「なんで捨てるの!?」って感じですよ。

自分で店を持ちたいとか一切思っていないです。フードロスが減るならなんでもいい。

フードロス削減のために、まだまだガッツリ修行をしないと!と思っています。僕は和食屋で2年半修行していたんですけど、その技術だけだと足りないから、これからフレンチとか中華も勉強したい。あらゆるジャンルの料理の技術を組み合わすことができれば、フードロスをもっとなくせるんじゃないかと思うんですよ。今後は捨てられた食材で料理する企画とかもやっていきたいですね。

松田樹生

料亭にて二年半修行していたが辞めて、もったいない料理人 の名でケータリング、弁当、ポップアップなどをしてる。

今回の料理のページ:https://www.biime-store.com/post/

もったいない料理人Twitter:https://twitter.com/1ove_f00d 

note:https://note.mu/1ovef00d 

フードロス食材から生まれる、新料理レストラン

・11月21日(木)〜24日(日)18:30〜23:00

「ツカノマノフードコート」

【住所】東京都渋谷区神泉町20-21 第一ミドリマンション 1階

【営業時間】18:30-23:30 (ラストオーダー23:00)

※日によって営業時間が変わるためカレンダーや公式SNSでご確認ください

Twitter: https://twitter.com/TsukanomanoFood

Instagram: https://www.instagram.com/tsukanomanofood

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