捨てられるはずだった
食材がご馳走に!
映画『もったいないキッチン』

こんにちは。4月に中学1年生になった坂口くり果です。

将来の夢は、世界のいろいろな問題を知って多くの人にそれを伝え、どうすれば解決できるかを考えて実行し、世界中の人たちを笑顔にし世界を平和にすることです。

いきなりこんなことを書いてしまいましたが、この記事ではある映画作品についてお伝えするのが本題です。出演者たちが楽しく食事をしながら、社会問題について考える、そんな映画なんです。

その前に、少し自己紹介させてください。

私は、小学校4年生のときから、国内外で支援活動をおこなうNPO団体フリー・ザ・チルドレン・ジャパンの子どもメンバーとして、いろいろな活動をしています。

©2018 Sakaguchi

なんで興味を持つようになったかというと、幼稚園で杉原千畝さんの伝記を何度も借りて読んだこと、動物園で見た白熊たちが地球温暖化(当時はこの言葉自体知らなかったのですが)の影響を受けていると知り、世界で起きていることに関心を持つようになったからです。

最近は、ドキュメンタリー映画が好きでたくさん観ています。きっかけは『コスタリカの奇跡~積極的平和国家のつくり方~』という映画でした。

軍隊を廃止して軍事予算を社会福祉に充てたことにより、国民がより幸せを感じられるようになった素晴らしい国があることを知りました。そして、世界の現状を映画から知ることができるんだ!と、とても興味深くなったのです。

この映画の配給会社ユナイテッドピープル代表の関根健次さんは、「平和」をテーマにしたいろいろなドキュメンタリー映画を配給しています。

映画によって異なる国がテーマとなっていて、毎回新しい発見があります。人によって考え方も違えば、表現する方法も違います。だから、私はいつもそれぞれの映画から世界を平和にするためのヒントと勇気をもらっています。

時には、人々が銃殺されたりお金のために子どもが自分の親に売られるなど痛々しい場面もでてきて……同じ地球上で起きていることだとは到底思えないくらいショックを受けることもあります。でも、今まで観てきたドキュメンタリー映画は全て私の宝物です。

その中でも印象に残っているうちのひとつが『0円キッチンという作品。

「フードロス」がテーマ
なのに……なんだか楽しそう!

©Mischief Films

『0円キッチン』は、フードロス(食料廃棄)という根深い社会問題をテーマにした映画。ですが、深刻な問題を重い気持ちではなく、明るい気持ちで受け止めることができる素敵なストーリーでした。

見終わった後、いろいろ考えさせられることはありましたが、なぜか幸せな気持ちになり、元気になる不思議な映画でもありました。

それは、この映画の監督で出演者でもあるダ―ヴィドさんが、フードロスという問題をポジティブに楽しく解決しようとしているからだと思います。

では、どのように楽しんでいるのか?

©Mischief Films

例えば、ダーヴィドさんは、自分を「ゴミ箱ダイバー」と呼んでいます。その名の通り、映画の中で、スーパーにある大きいゴミ箱に入って、まだ食べられるのに捨てられている食材を取り出すシーンがあるのです。

ゴミ箱から食べ物を取り出すことも「救出」と言っていて、思わずプッと吹き出してしまいます。そして、映画の中で「救出」した食材を調理して、みんなで楽しくいただくのです。

©Mischief Films

とてもポジティブでユーモアのある素敵な考えだと思いませんか?食べている人は楽しそうで、みんな笑顔で、映画を観ている私も楽しくなりました!「社会問題=暗い」のではないということが本当によくわかる映画です。

また、この映画は、動物の「命」を調理するときも捨てる部分などないと教えてくれます。

例えば、映画の中で、自分たちで豚を育てて調理するオランダのレストランがでてくるのですが、脂肪のかたまりを風車を回すための油として使ったり、頭の部分をパテにしたりします。シェフも、「すべての部分を使い切るんだ」と言っていました。

正論を掲げて、堅苦しいことをひたすらやっていても、誰も興味を持ってくれません。でも、ユーモアのあるポジティブな考えは、人を笑顔にして興味を持ってもらうきっかけになるのだと思いました。観たら自然と笑顔になれる『0円キッチン』は、「食べ物が教えてくれる平和」の映画だと思っています。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。