中国のレストランが「ピザ」で食品ロス問題に取り組んだ

骨の髄まで料理にしてしまうほど、あらゆる料理法が確立されている中国。ところが、急速な経済成長による外食産業の発展とともに、お客の食べ残しや、余分に仕入れた食材の廃棄などにより、現在食品ロスが深刻な問題となっているんだとか。

この問題を14億近い人口の中国が本気で取り組んだら──。昨年末、上海の人気観光スポット「新天地」でこんなプロジェクトが行われました。

レストランの残りもの食材を
おいしくアレンジ

プロジェクト(Re_Pizza Project)は、新天地に居を構える人気レストランが集結し、自分たちの余剰食材を使っておいしいピザを考案し、それをお客に振る舞うことで、飲食業界だけでなく消費者にも食料廃棄問題について考えるきっかけをつくってもらおうというもの。

そのラインナップが、またスゴい!

麻婆豆腐ピザに刺身ピザ?
アレンジの幅が…さすが中国

どれも美味しそうなピザ。だけど、トピングされた具材をよ〜く見れば、豆腐にフルーツにショートパスタ、さらにはお刺身まで。この統一感のなさこそが“再生ピザ”たるゆえんです。

その日のうちに使い切れなかった消費期限前の食材が、各レストランから次々に集められ、トップシェフたちがその場でアレンジを加えていきました。こうしてじつに200種近いピザが誕生したそうですよ。

食料廃棄ゼロのピザが
教えてくれること

こうして、誕生した残りもの食材でつくるRe_Pizzaは、1カットわずか5元(約81円)という安さで販売。珍しいトッピングに上海の若者たちも興味津々のよう。結局、6日間の限定オープンながら、余剰食材60キロがRe_Pizzaへと返信、見た目や味の感想はすぐさまSNSで拡散され、多くの中国人にこのピザの意味することろが届いたはず。

売り上げの1,500食分の金額は、グローバル・フードバンキング・ネットワークを通じて、食料支援へと寄付。プロジェクトを企画した北京電通は、今後もRe_Pizzaプロジェクトを中国全土で行うことで、食料廃棄問題に対する啓蒙を続けていく予定とのこと。

深刻な問題をおいしい体験にかえる、これはナイスアイデア!

Licensed material used with permission by 北京電通
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