毎日大量に余るファーストクラスの「機内食」を空腹の人のもとへ
日本語の「もったいない」の精神は、今や世界中で意識されるものになりつつあります。農林水産相によれば、世界で毎年13億トンもの食料が廃棄され、これは生産量のおよそ1/3にもあたるそうです。
そんななか、オーストラリアの「OzHarvest」という団体の活動が注目されています。
手つかずの「機内食」を無料で配布
その活動の秘密は、飛行機の「機内食」にありました。フライトのキャンセルや変更などで手つかずとなった食事を慈善団体へ寄付するというもので、活動は2004年から続き、これまで200以上の団体へ支援してるのだとか。
食事の中身はファーストクラスに提供されていたもので、サンドイッチやリンゴ、ミューズリーバー、ビスケットなど。
「OzHarvest」のクイーンズランド州マネージャー、Cameron Hickey氏はABCニュースのインタビューにこう答えています。
「私たちが集めているのは、開封すらされていない食事です。それらは十分食べることができ、再配布が可能なもの。ファーストクラスには手つかずの美味しい食事がたくさん余っていて、それはサプライチェーンに沿って過剰な食事が提供されていることも意味しています」
この活動により、ブリスベン空港では1日200kg〜400kgもの食料が廃棄されずに済んでいるそうです。また、食料のピックアップには2台の車を使っていて、2時間以内には慈善団体のもとへと届く仕組み。
大切なのは気づいてもらうこと
また「OzHarvest」は、自分たちの活動はあまり長く続かないほうがいい、とも言います。なぜなら自分たちは「過剰なムダがあることを示し、航空会社がそれに気づき効率的になるならば、それでいい」と。「そうなったら、また他の業界に移ります」というのが彼らのスタンスなのです。
また今後は機内食だけでなく、空港全体の食料廃棄削減も展開していく予定だとか。