自宅付近に緑地があるだけで、長生きできるらしい。
もし、あなたが近く引っ越しを考えているのならば、「駅近」や「コンビニまで〇分」よりも「付近に緑地がどれだけあるか」を検討条件に加えたほうがいいかもしれない。
最近の研究で、公園やコミュニティガーデンといった緑化施設が近く、アクセスしやすい環境にある人ほど、老化を遅らせる可能性があるというのだ。
平均2.5歳、老化を遅らせる
緑地の側で暮らすメリット
科学ジャーナル『Science Advances』に掲載された研究によれば、近隣に公園などの緑に囲まれた空間があり、長期的に触れる機会がある人は、緑の少ない都市生活者と比較して、平均して寿命が2.5歳延びる可能性があるんだとか。
研究チームは米国4都市、900人以上を対象に調査を実施。DNA中の塩基の炭素原子にメチル基修飾が付加される化学反応(DNAメチル化)を分析して、生物学的な年齢を推定。緑地での社会的な交流と程度な運動が、年齢の差となって表れたと結論づけた。
「領地の近くに暮らしていると、血液中で検出できる生物学的または分子的変化が引き起こされることが判明しました。生物学的年齢はなにを食べ、どのくらい身体を動かしているかだけでなく、近隣のコミュニティとどういった関係性を築いているかも重要だということを指し示しています」。
ノースウェスタン大学フェインバーグ医科大学の予防医学教授で、同研究の主任研究員Lifang Hou氏のコメントを「The Washington Post」が紹介する。
ただ、同時に緑地といっても緑の生い茂った自然遊歩道なのか、ゴルフ場のように整備された環境なのか、樹木が数本あるだけの公園なのか、あるいは都市部の街路樹だけでも用途を満たしてくれるのか……。今後は緑地の量や質についても細かくみていく必要があるといった声も。
この時代に生きる人々が緑からどのような恩恵を受けているのか。都市が成長するなか、緑のインフラをいかに取り入れていくかがますます重要になりそうだ。