名前に赤線を引かないで。イギリスのキャンペーン「I am not a typo」

私たちは、名前が多様な世界で生きている。日本ではいわゆる“キラキラネーム”と呼ばれる名前も耳にするようになり、「読めない」「偏見を持たれやすい」といった声も上がるようになった。

そんな名前の多様化をきっかけとした問題は、海外でも起こっている。そして、イギリスではあるキャンペーンがスタートした。

私の名前はタイポじゃない!
「I am not a typo」キャンペーン

イギリスでローンチされたのは、「I am not a typo」というキャンペーン。自分の名前が「タイポ(誤植)」だとみなされてスペルチェッカーに赤線を引かれる人たちが、大手テクノロジー企業に対してシステム改善を呼びかけている。

© iamnotatypo/X

ある調査によると、イングランドとウェールズで2021年につけられた約5500の名前が赤線を引かれるらしい。「キラキラネームをつけたから」と思ってしまうが、「Ottilie」「Eesa」「Priti」といった近年人気のある名前も修正を示唆されるそうだ。

「名前に赤線を引かれる」って、
どんな気持ち——?

自分の名前に赤線を引かれる人は、どのように感じているのだろうか?キャンペーンに参加した人たちの声を聞いてみよう。

私の名前は「Dhruti」だから、勝手に「Dirty(汚い)」や「Dorito(スナック菓子)」に変更しないで。

私の名前はたったの6文字なのに、エラーだとみなされる。名前に赤線を引かれると、まるで自分自身が間違っているような気持ちになる。

名前は人生でもっとも大切な言葉であり、アイデンティティの一部です。

名前に赤線を引かれる人は、「自身の存在やアイデンティティすら間違いだとみなされている」と感じているようだ。

キャンペーン参加者は、「テクノロジー企業は英国における名前の多様化に適応すべきだ」と呼びかけている。

「名前に赤線」問題、解決は簡単?

今回のキャンペーンに参加した人たちは、「名前に赤線が引かれる問題を解決する方法は驚くほど簡単だ」としている。国家統計局はポピュラーな名前の年間チャートを発表しているらしく、それを電子辞書に追加することを求めているそうだ。

年間チャートの追加は、簡単にできるとのこと。今回のキャンペーンが大手テクノロジー企業に届けば、スペルチェッカーも赤線を引く基準を変えるかもしれない。

日本だと、「名前を正しい漢字に変換してくれない」といった悩みを抱えている人がいるはず。「I am not a typo」のようなキャンペーンは、日本でも起こるのだろうか?

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