片頭痛改善に期待高まる、食事スタイル「トリガーフリー」って?

不要な成分を一切含まない
「トリガーフリー」という食事法

「トリガーフリー(trigger free)」とは、普段の食事において頭痛などの特定の症状を引き起こす可能性のある成分を一切含まない食事の実践のこと。近年、食事と症状の関係性を研究するなかで発展してきた、新たな食事スタイルである。

似たような意味をもつグルテンフリーやナッツフリーは、特定の成分を避ける食事スタイルとしてよく知られてきたが、トリガーフリーは特定の成分「全般」を避けるという点で大きく異なる。

発症を誘発する原因(トリガー)がさまざま存在し、マルチに対処することが難しい疾病は、個人の食品アレルギーの種類や程度に応じて、特定の成分を避ける食事プランをカスタマイズする必要があるため「トリガーフリー」の実践によって、発症頻度を大幅に減少できる可能性が期待されている。

片頭痛改善に特化した
トリガーフリーのクッキー「Amia」

© Amia /Instagram

トリガーフリーの実践により、改善が期待できるとして挙げられたのは、日本人全体で8.4%の有病率と言われる「片頭痛」だ。

「日本頭痛学会」によれば、ライフスタイルや気圧の影響はあれど口に含む食べ物が発症に大きく関与すると言われてきたが、個人によってトリガーとなる食べ物がまったく異なるというのが悩ましいところ。

そんななか、TABI LABOでもご紹介したテキサス州のスタートアップ「Amia」が手がけるクッキーは、片頭痛の発症を避けることを目的として、チラミンや亜流塩素、グルテンといった発症を誘発しうる主成分(トリガー)を一切含まない製法を用いて作られている。

その効果は片頭痛もちの開発メンバーらが身をもって実証済みとのことで、常用することで数ヵ月後には、片頭痛発症の頻度が50%ほどにまで減少したとも。味のバリエーションも豊富で、薬のような嫌悪感もないという点にも注目だ。

まとめ

トリガーフリーにより改善が見込まれるのは、片頭痛だけではない。消化器系の症状やアレルギー性疾患、じんましんなど、共通するのはやはり「特定の成分が発症に関係する」こと。

「アメリカ片頭痛財団」は、この食事スタイルの実践とともに毎日の「食事日記」をつけることを推奨している。というのも、マルチな対処が難しい症状のトリガーを断定するには、自分の食習慣を徹底的に管理・精査することがもっとも解決に役立つと考えられているため。

トリガーフリーを用いた事例はまだ少ないものの、疾病を引き起こす可能性を排除していく、まさに「引き算」の考え方は、多くの人を悩ませる片頭痛という症状を中心に、今後ますます広まっていくことだろう。もっとも、どんな症状でも“安心で、美味しく”対処できるようになるのは、誰もが望んできたことであるはずだから。

変化の激しいこの時代、
新しい価値観や考え方が日々生まれています。

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