職場でホンネを話せている人、実際は何割くらい?【調査結果】

職場で思ったことをなかなか口に出せない、仲は良いけど踏み込んだ話や本音は言えない……こんな経験はないだろうか?

これを「静かなる分断」という言葉で表現し、「職場で『静かなる分断』が起こっているのではないか」と仮定した人・組織・コミュニティに関わるアンケートが、とあるコンサルティング会社によって実施された。

職場環境改善のカギは
マネジャー層の“快適”さ?

調査の対象となったのは従業員数300人を超える、とある民間企業だ。

まず、各世代・役職の社員が誰となら安心してコミュニケーションを取れ、かつ本音を話せているかだが、これは同期や同世代という意見がもっとも多かった。安心して話せる割合自体は先輩や後輩、上司も近い(あるいは多い)数値だったが、本音となるとやはり世代や立場が近い者同士が良いというわけだ。

逆にそれが難しいのは上司、部門長、経営者・役員、人事部の担当者となっており、何かしらの役職が付く社員との間には大きな心理的壁があるという結果に。

©株式会社ジェイフィール

上司との壁については、部下に対する上司の高圧的言動が原因となっていることが多そうで、とくにマネジャー層は上司からのプレッシャーが強い様子。それがマネジャー自身の部下への接し方にも悪影響を及ぼし、最終的には職場全体のエンゲージメント低下を招くと推察される。

逆にいうと、マネジャー層が上司と円滑にコミュニケーションが取れていれば、職場全体が働きやすい雰囲気になるということでもありそうだ。

職場は「お金を稼ぐ場」
でも、それ以外は……

次に「現在の職場はどんな場か?」「理想の職場はどんな場か?」という問いには、ともに「生活に必要なお金を稼ぐ場」という回答が8割越え。一方、その他の項目はほぼすべてが理想と現実に20%以上の乖離がある。

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つまり理想と現実のギャップから、職場を「お金を稼ぐ場以外のなにものでもない」と考えている人がかなりの人数いるということ。決してそれが悪いこととは言わないが、会社の発展にはその他の項目の改善は必須だろう。

前述したように、この調査ではマネジャー層の仕事の快適性が職場全体の快適性のカギを握っている。例えば、人の関係性に興味があるシニア社員を再雇用で組織感情を形成するポジションに配置し、マネジャー層を本来管理すべき「業務のマネジメント」に専念させて負担を減らすというのも一つの解決策になりそうだ。

労働力不足の深刻化もささやかれる現代。腹を割って言うべきこと、言いたいことを言える職場環境を目指すための、何らかの施策を打たなければマズい時期に来ているのかもしれない。

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