多くの母親や父親が「出産や子育てがしにくい」という思いを抱えている【調査結果】
育児・介護休業法の改正による「産後パパ育休制度」がスタートするなど、出産や子育てがしやすい世の中を目指す取り組みが実施されている。しかし、「出産・育児がしにくい」と思う人はまだまだ多いようだ。
計2000人の母親と父親を対象に育児環境などについて調査した「たまひよ妊娠・出産白書2023」によると、母親の約7割、父親の約5割が「日本社会は出産や育児がしにくい」と感じていることが分かった。
父親の割合は昨年からほぼ横ばいだが、母親は前年から約10ポイントも増加している。
【日本の社会は、子どもを産み育てやすい社会だと思いますか?】
「出産・育児がしにくい」と感じる理由は「経済的・金銭的な負担の大きさ」が父母ともにトップで、8〜9割を占めている。
父親に関しては、「社会や職場の理解・支援の不足」を理由にあげている人が昨年よりも増加した。
【「子どもを産み育てやすい社会だと思うか?」の質問に対し、
「あまりそう思わない」「全くそう思わない」と
お答えになった理由として
あてはまるものをいくつでもお選びください】
なお、父親が取得する育休の日数は前年と比べて長くなっている。「2週間〜1ヶ月未満」「1ヶ月〜3ヶ月未満」が増加しており、「産後パパ育休制度」が影響していると考えられるだろう。
ただ、休暇取得日数が長くなる傾向にあるとはいえ、割合としては「出産前後に2〜3日休む」が最も多い。加えて、「出産・育児にあたり休みを取得していない」という人は昨年から増加している。
【男性の方にお伺いします。
あなたは出産・育児にあたり、合計どのくらいの期間のお休みを
とりましたか・とっていますか?】
【男性の方にお伺いします。あなたは出産・育児にあたり、
お休みをとりましたか?】
育児休暇を取得しない、もしくはできない理由は、「自分の代わりに仕事をする人がいない」が最も多い。ほかには「休みにくい雰囲気がある」「収入減への不安」なども多く、職場の理解や経済面でのサポートが不足しているとみられる。
【男性の方にお伺いします。
育児休業制度を利用しなかったとお答えの方にお伺いします。
理由としてあてはまるものをいくつでもお選びください】
また、育休を取得しやすくするために必要な条件については、父母ともに「休みやすい制度や雰囲気が職場にあること」「育休中の収入補償」との回答が多い。
出産や育児がしやすくなる制度を整えるのはもちろん、職場や社会からの理解や支援を得られるかどうかが1つのカギになりそうだ。
【男性の育児休業制度利用促進にあたり必要だと思う
条件や要件をいくつでもお選びください】
※2020年の質問文「Q.男性の育児休暇の義務化にあたり、必要だと思う条件や要件をいくつでもお選びください。」
「産後パパ育休制度」がスタートして育休取得日数が長くなっているのは、よい傾向といえるだろう。しかし、現状では「出産・育児がしにくい」と感じている人は多い。
共働きで育児をするのがスタンダートの今、出産や子育ては母親と父親だけの問題ではないだろう。時代はすでに、社会全体で子どもを育てなくてはならないフェーズに突入している。
「調査概要」
【調査期間】2022年10月7日~28日
【調査方法】WEB調査
【調査対象者】全国の生後0ヶ月~1才6ヶ月の子どもがいる母親・父親(『たまごクラブ』『ひよこクラブ』購読経験者)
【有効回答数】2062人(母親1649人 / 父親413人)
【調査内容】産前産後での父母の意識や、父親の育休取得を含む育児環境や育児への関わり方など