高級スキンケアの成分を完コピしつつ、価格は10分の1に抑えた「デュプコスメ」に注目

華やかな広告やラグジュアリーなイメージに、つい心が惹かれてしまう高級スキンケアブランド。しかし、高いスキンケアほど効果があるという思い込みは、はたして本当だろうか?

近年、高級スキンケアの成分や効果を徹底的に分析し、低価格で再現した「デュプ(模倣品)」コスメがZ世代を中心に支持を広げている。

 

高級ブランドの壁を打ち破る
「Skincare Generics」

美容情報サイト「Beauty Independent」によると、今年10月、美容業界に一石を投じる新ブランド「Skincare Generics」がデビューした。同ブランドは"ジェネリックスキンケア"をコンセプトにデュプ商品を展開、早くも話題となっている。

デビューラインナップとして登場したのは、3種類のアイテムで価格はすべて39.99ドル。注目すべきは、成分の類似性だ。なんと「Augustinus Bader」の432ドルのリッチクリームや「Dr. Barbara Sturm」の325ドルのヒアルロン酸セラムと、少なくとも80%もの成分が同じというのだから驚きだ。

創設者Will Henderson氏は「高級ブランドだからといって、特別な成分が使われているわけではない。同じ成分を配合した商品を、もっと手軽な価格で提供したい」と「Beauty Independent」に語っている

@skylerreneee drugstore dupes that are better than the original #drugstoremakeup #affordablemakeup ♬ original sound - Sky
TikTok/skylerreneee

「成分ダマシ」は大歓迎
背景にある消費者の意識変化

Instagram/skincaregenerics

成分が似ていれば効果も同じ」と、大胆にも主張するSkincare Generics。同社は製品開発において、人気商品の成分を徹底的に分析。類似性の高い成分を厳選し、製品の性能試験を行い品質にもこだわっていると自信をのぞかせる。

近年、世界的な物価高騰の影響も相まって、化粧品市場では価格と品質のバランスを重視する傾向が強まっている。特に、Z世代は従来のブランドイメージや広告に左右されるのではなく、自ら情報を収集し、賢く商品を選択する傾向がある。

実際、TikTokでは「#makeupdupes」の視聴回数が11億回を突破。消費者インサイト企業「Spate」の調査でも、昨年8月までの1年間で、スキンケア関連の「ジェネリック商品」のオンライン検索数は123.5%増加しているというデータもある。

あなたが重視するのは?
新たな価値観でスキンケア選びを

少し前までは、「良いもの=高価」という価値観が主流だったかもしれない。しかし、情報過多な現代において本当に価値のあるものを見極める力は、ますます重要になっている。Skincare Genericsの登場は、高価格帯のスキンケアにこだわっていた人々に「成分」という新しい視点を与え、本当に大切なものを見つめ直すきっかけを与えてくれているのかもしれない。

👀GenZ's Eye👀

最近、インフルエンサーやユーザーによる口コミの拡散が美容液の人気を後押ししている。ストレッチや食生活の改善を紹介するよりも、単に購入して塗るだけで済むため実践しやすく、さらに報酬も発生する。

しかし、ある成分が人気だからという理由だけで購入したり、美容液に頼りきったりする美容法は、控えるべきではないだろうか。

Top image: © iStock.com/PonyWang
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