SNSをやめたい瞬間1位「他人の幸せアピール」。それでも断てない理由
日々の情報収集やコミュニケーションの手段として、現代生活に深く根付いたSNS。
その利便性を享受する一方で、いわゆる「SNS疲れ」を感じた経験を持つ人は少なくないだろう。
株式会社ライズ・スクウェアがSNSを利用する男女500人を対象に実施した意識調査から、人々がSNSをやめたいと感じる瞬間や、それでも利用を続けてしまう複雑な心理が明らかになった。
やめたいと感じる引き金は「他者との比較」
調査によると、「SNSをやめたいと思う瞬間」として最も多くの人が挙げたのは「幸せアピール投稿を見たとき」で、全体の22.8%を占めた。
僅差の2位には「時間が無駄だと感じたとき」(20.6%)、3位には「ネガティブな投稿を見たとき」(11.6%)が続く。
特に1位の「幸せアピール」については、「自分が落ち込んでいるときに『お金持ちアピール』などを見ると精神的にやられてしまう」といった声が寄せられており、他者の華やかな投稿が自身の状況との比較を促し、劣等感や嫉妬心につながる構図がうかがえる。
また、SNSを閲覧し続けた後に「もっと他のことをして過ごしたほうが良かったのではないか」という徒労感を覚えたり、他人の愚痴や誹謗中傷といった攻撃的な投稿に触れて精神的に疲弊したりすることも、SNSから離れたいと感じさせる大きな要因のようだ。

ポジティブもネガティブも不快感を生む
人々がSNS上で「不快に感じる投稿」はどのようなものなのだろうか。
こちらの問いでは、「過剰に自慢している」(18.4%)がトップとなり、僅差で「他人を誹謗中傷する」(18.2%)が続いた。
この結果は、ポジティブな内容であっても、その表現が過剰であればネガティブな感情を抱かせ得ることを示唆している。
「高級ブランド品の購入」や「海外旅行」といった自慢話は、見る人によっては強い自己顕示欲の表れと受け取られ、嫌悪感の原因となるのかもしれない。
一方で、他人を攻撃する誹謗中傷や、延々と続く愚痴の投稿も、多くの人に不快感を与えている。
たとえ自身が直接のターゲットでなくとも、攻撃的な言葉や雰囲気に触れること自体が心理的な負担となり、SNSという空間そのものの安全性を損なうと感じる人が多いことが調査から見て取れる。

それでもSNSを断ち切れない事情
多くの人が疲れや不快感を覚えながらも、SNSの利用をやめられないのはなぜか。
その理由を尋ねたところ、「情報収集に役立つ」という回答が53.6%と半数以上を占め、圧倒的な1位となった。「好きな芸能人やブランドの情報をいち早く知れる」といった実用的なメリットが、SNSのネガティブな側面を上回っている状況が浮き彫りになる。
次いで多かったのは「他人とつながるのに必要」(24.6%)という理由だ。友人関係の維持や、同じ趣味を持つ人々との交流の場としてSNSが機能しており、人間関係を断ちたくないという思いが利用の継続につながっている。
心理カウンセラーの服部希美氏は今回の調査結果に対し、「SNSは、日常に役立つ情報や人とのつながりを得られる反面、心の状態や投稿内容によって、ストレスの原因にもなり得るものです」とコメント。
その上で、続けるかやめるかの二択ではなく、自分なりの付き合い方を考えていくことの重要性を指摘している。

【調査概要】
調査対象:SNSをしている人
調査期間:2025年4月18日~23日
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:500人(女性363人/男性137人)
回答者の年代:10代 1.0%/20代 25.6%/30代 40.2%/40代 20.6%/50代以上 12.6%






