90年代のゲームは子供の脳に良い影響を与えていた可能性。専門家が現代作品との構造的な違いを指摘

現代の子供たちは、課金アイテムや期間限定イベントの通知に囲まれた環境でプレイしている。一方で、かつて『マリオカート』や『ポケモン』に夢中になった世代は、攻略本なしでゲームに挑み、自らクリアした時の達成感をよく覚えているかもしれない。

メンタルヘルスの専門家らによると、このゲーム環境の変化は単なる技術的な進化にとどまらず、子供の脳の発達や報酬への反応に深刻な影響を与えている可能性があるという。

「達成感」から「依存のループ」への変化

90年代のゲームには明確な終わりがあり、困難を乗り越えてエンディングに到達することは、持続的な満足感をもたらす「真の勝利」だったと専門家は分析している。

一方、現代の基本プレイ無料ゲームの多くは、プレイヤーに意図的に微細なストレスを与え、課金によってそれを解消させる仕組みを持っていることが多いそうだ。

アルゴリズムによってプレイヤーの行動が監視され、離脱を防ぐためのオファーが絶妙なタイミングで提示される。

こうした構造は、短期的で即座に消える快楽、いわゆる「ジャンクフード・ドーパミン」を脳に与え続けることで、常に刺激を求める依存的な状態を作り出している恐れがあると指摘されている。

思考力の低下と失われた境界線

また、思考力への影響も懸念されているようだ。

かつては攻略に行き詰まると試行錯誤が必要だったが、現在は検索すれば即座に答えが得られ、ゲーム内にも手厚いガイドが存在することが多い。これにより、自ら解決策を見つけ出すクリティカルシンキングの機会が失われている可能性があるという。

さらに、90年代のゲームはプレイと日常生活の切り替えが明確だったのに対し、現代のゲームは終わりのないランキングやソーシャル要素によって、常に他者と比較されるプレッシャーや劣等感を子供たちに植え付けているかもしれない。

楽しさの追求から収益化へのシフト

ゲームデザインの哲学も大きく変化している。かつては「楽しさと完結」が重視されていたが、現在は「ユーザーの維持と収益化」が最優先される傾向だ。

専門家は、90年代のゲームがスキル向上のための挑戦であったのに対し、現代の多くのゲームは心理的な抵抗力を試すテストのようなものだと警告している。

子供たちがどのようなデジタル環境で遊ぶのか、保護者はその構造的な違いを理解し、慎重に選択する必要があるだろう。

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