【研究結果】ディズニー映画は子供の発育にどう影響する?
ヒューストン大学大学院スクールオブソーシャルワークの研究者らが、ディズニー映画が子どもの発育に与える影響を調査した論文を発表した。
この研究では、人と人との繋がりに焦点を当てた“ソーシャル・キャピタル”というフレームワークを使用。
過去80年間に公開されたディズニーのアニメーション映画をリストアップし、主要となる子どもキャラクターに対して、どのように親との関係が描かれているかを研究されたようだ。
まず研究者たちは、対象となった155本のアニメにおいて、その大多数が家族単位全体には焦点を当てていないことを発見したうえで、過去10年間のアニメでは、その割合が大きく増えていることを指摘。
初期のディズニー映画では、ロマンチックな関係の中にある「愛」に焦点が当てられていたが、『アナと雪の女王』を代表とする最近の映画では、家族と兄弟の間の「愛の力」に焦点が当てられている傾向にあるようだ。
研究者たちは、昨今のディズニー映画が、家族の多様性、そして文化の違いに対する理解を深める上で、とても有効である可能性があると結論づけている。
また、アフリカを舞台にした『ライオンキング』や中国舞台の『ムーラン』、先住民を取り扱った『ポカホンタス』などの映画は、文化的ステレオタイプや人種差別について学ぶ上で、優れた教育ツールであることにも言及。
子どもたちにディズニー映画を鑑賞させて、その後近しい人と感想を話し合うことは、多様性、愛の形、社会の歪み、さまざまな差別を学ぶ上で、優れた社会的な教育に繋がるということだ。
もちろん、ディズニー映画が教育に良い影響を与えることは分かっていたことだが、昨今のディズニー映画が多様な家族の形を反映しているという点は興味深い。
時を経つにつれて、その公開本数も大きく増加しているが、質の高い作品を発表し続けるディズニーには敬意を表したい。